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[10]受診拒否・発覚のとき(7)

医師法によると、医者は目の前に患者がいたら、治療する義務があるのだと聞いたことがあります。だから夜中でも、近くの医院の玄関をガンガン叩いて「先生、急患です。お願いします」とやって良いのだそうです。本当でしょうか?

さて、前回のつづきです。病院の駐車場に降り立った親子連れは、入院患者の見舞いに来たのだと見当がつきますよね。私は後をつけました。先に受付で先生は誰もいないのかと聞いたら、受付の女性が「ここは外来ですから」と言ったんですから、病棟にはいるはずなんです。私は知りませんでしたが、病棟の入り口というのがあるんですね。そこまで案内?してもらったついでに、ご婦人に内科病棟のナースステーションの場所を教えてもらいました。

ナースステーションには、私の持つ看護婦のイメージからは少し外れた、40代とおぼしき方(後に婦長と判明)が居ましたので入口から声をかけました。「あの、来週から入院させていただく者なのですが」「はい、なんでしょうか」「入院を早めて頂きたいのですが」「それは先生の指示がないと。明日受診してください」「今、診ていただく訳にはいきませんか」ここからは押し問答です。私は『医師の指示にしがって』禁酒をしたら禁断症状が出たことを、やんわりと主張しますが(「じゃあですね、『この病院で出された薬を飲ませたら、副作用が出た』と、親が子供をかかえて駆け込んできたら、時間外だからと診療拒否をするんですか?この病院は」なんて、詰め寄ったりはしなかったです、たぶん)らちがあきません。

そこへ、年配の医師(後に副院長と判明)が通りかかり「どうかしました」と声をかけてくれました。私の話を聞くと。「診てあげましょう」と言ってくれたのです。「君、処置室開けておいて」と婦長に指示し、「患者さんを連れてきてください。処置室分かります?正面玄関入って、すぐ右行って、突き当たりだから」私は最敬礼し、クルマに戻ったのですが、ここで問題がおきたのです。

今度は美佐子が受診を拒否したのです。いくら、言い聞かせてみてもダメなんです。主観的には、確実に聞こえ、追いかけられているのですから、納得しません。「悪いのは向こうよ。お隣が診察を受けるべきよ。異常なんだから」参ったです。美佐子はぜひにも、診てもらわなければならない状態なのです。それに、どうでもいい事ですが、熱心に(『強引に』の間違いではない)お願いした私の立場もないし。困ったのであります。(つづく)

甘木有忠


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