2008年10月アーカイブ

[06]立って歩く!!

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前回の話しでちゃんと立てましたか?ここが全ての始まりになりますから、もう一度繰り返します。

大腰筋を使える唯一の運動は、立って片足を上げるときに使います。ただし、股関節を曲げて上げるのではなく、へその位置で身体を折り曲げるようにして上げる上げ方です。お腹の奥に力が入っているのを感じますか?その感覚で両足を床に付けたまま立てますか?その感覚が分かるまで、何度でも足上げを繰り返して下さい。

実際の足は股関節から始まっていますが、ウェストラインからが自分の足だと思って下さい。足を伸ばしたまま、前に上げて、そのままの高さで横に向けて、後ろに向けて。ウェストラインからが自分の足の始まりという感覚になりましたか?もう一つ付け加えます。頭は天井からつり下げて下さい。顎を出さないで、首の後ろを真上にスーっと伸ばして下さい。さて、これで歩く準備が出来ました。

では、ウェストラインから足が付いています。足を前に出して!もう片方の足に直ぐに体重が乗るのが分かりましたか?体重移動がいらない歩き方なのです。出来たなら、そのまま続けて!!ゆっくり歩いてもふらつきません。

背部を緊張させて姿勢を維持する立ち方では、歩くときに横に体重移動します。やってみて下さい。歩き出そうとするときに、左足を前に出そうとすると必ず右側に、上半身を傾けるはずです。上半身の体重移動でバランスをとろうとします。

もう一度、大腰筋を使った姿勢を作ってみて下さい。ウェストラインを折り曲げるようにして左足を前に出してみて下さい。上半身はどちら側にも移動しないはずです。この姿勢で歩くと、上半身は左右にも、上下にも動きません。上半身の中心軸がスーっと滑るように前に移動していきます。

ちゃんと出来るようになれば、前から他の人が進むのを妨害しても、押しのけて歩いていけるようになります。

背部を緊張させる姿勢では、大腿部の前面とふくらはぎ(腓腹筋とヒラメ筋)を使って歩くようになるので、足が非常に疲れます。「夜になると足がパンパンになるの。」と言う方は、この姿勢になっているはず!この立ち方だと、両方の下肢は構造上外側を向くようになりますから、足底の外側に体重がかかります。靴の外側ばかりがすり減ってしまいます。そして何より、足の外側の筋肉を酷使するので、いわゆるがに股になるのです。まっすぐに伸びた足になりたければ、この大腰筋歩行を心がけて下さい。

岸 元(きしはじめ)

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[05]柔軟な発想で深層筋を使う

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前回は、大腰筋を使える感覚を身体で理解して貰うために、座って姿勢を作るお話しをしました。今回は、立ってみます。

この練習をする前に、一番大切なことがあります。それは、柔軟な発想です。私たちは生まれてからずっと誰に教わるわけでもなく、体を動かしてきています。特別に何らかの武道やスポーツをしている人達は、あるレベルでは身体の動かし方を習っているでしょう。しかし、それも自分流の動かし方が基本になって、その上に拾得した動かし方を塗り重ねているだけで、根本的な動かし方を習っているわけではありません。

ここでは、これまで使ってきた自分流の身体の動かし方を全く変えなくてはなりません。そのために、柔軟な発想が必要になるのです。正しい動きの基本になる姿勢をどのように作り上げて、それを維持するかが大切になります。

前回お話ししたように、まず椅子に座って身体を垂直にし、両方の足全体を上げるようにします。身体を垂直にしているのですから、足は絶対に上がりません。が、上げるように意識すると、お腹の奥に力が入るはずです。それで大腰筋を使っています。その感覚を自分の五感に置き換えて、納得がいくまで何度も繰り返してみて下さい。これで感覚がつかめない人は、立って片足を伸ばしたまま、股関節ではなくお腹を引っ込めるようにして前に上げてみて下さい。お腹の奥に力が入ったのが分かりましたか?

使えているかどうかを判断する方法があります。大腰筋を使ったまま、他の人に自分の手首を上から押さえて貰い、肩関節を軸にして腕全体を上げてみてください。大腰筋が正しく使えているなら、体重を掛けられていても、すっと腕を上げられるはずです。

では、立ってみましょう!人が姿勢を維持するときに、普通使うのが背部の筋肉です。背部を緊張させて、肩を後ろに引くように力を入れて、良い姿勢と思いこんでいます。ちょっと待ってくださいね。その姿勢だと、お腹に力が入らないでしょう!もう一度、大腰筋が使える姿勢を立ったまま作ってみて下さい。よく分からなければ、もう一度座って、両足を上げるようにお腹に力を入れてみて下さい。

身体を固定して、手足を動かすことは誰にでも出来ます。ここでは、足を固定して身体を動かします。ちゃんと使えているなら、身体は下腹部のところで前に引き出されるはずです。その感覚で、立ったまま大腰筋を使ってみて下さい。背中には力が入らないはずです。

よく言われるのが、「自分の尻尾を下に下げて、お尻の下側を締めて、お腹を引っ込めて」の姿勢になるはずです。お尻の下側と下腹部に力が入っていれば、第一段階終了!!

まずは、大腰筋が使えているかどうか、自分の感覚で掴んで下さいね。1週間もすれば、これが使えている感じなんだろうな、と分かるはずです。

岸 元(きしはじめ)

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[04]癖を修正する姿勢

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ほとんどの人は、根本的な動きを教えて貰うことはありません。歩くときは、ここの筋肉を使って、このような動作をすると巧く歩けます。とか、走るときには、さらに別の筋肉をこのように使って走る、とかです。では、人はいったいどのように歩いたり、走ったり、跳んだりしているのでしょう。

初めて立ち上がった時を想像してみて下さい。何度も転びながら、それでも立ち上がり、一歩一歩足を前に出していきます。まさにトライアンドエラーで自らがつかみ取った、オリジナルの立ち方と歩行なのです。何処の筋肉をこのように使って、なんて考えてもいません。その後の走る、跳ぶは、その時の立ち上がり方(姿勢)と歩行の仕方が基本になって、さらに自らが作り上げていきます。歪んだ身体で作り上げた運動機能なのです。それを何歳になっても、同じように身体を使っていますから、どうしても癖のある動きになります。

ここでは、皆さんがすでに持っている身体の癖を、いかに少なくするようにするか、が課題です。すでに歪んでいる胸郭と頭部を無理なくどうやって支えて日頃の生活をするかです。左右バランスを崩しているのですから、足の荷重配分は左右のどちらかに偏っているはずですし、足底のバランスも偏りを生じているはずです。自分自身が中心だと感じている中心軸が違っているのです。ですから、自分で感じている中心軸を意識的に本当の中心軸に戻してやる必要があります。

ここで一番重要になるのが、前回お話しした大腰筋の使い方です。大腰筋というのは、通常は姿勢を維持するために使われている深層筋です。唯一、運動機能にも関係していて、立って片足を伸ばしたまま、上体を反らさずに前に上げるときに働きます。大腰筋は、背骨の胸椎の下部と腰椎の上部の前から、大腿骨の小転子と言うところに付いています。

大腿骨小転子というのは、股の付け根の内側になります。つまり、大腰筋を使うと言うことは、股関節の動きに関係するのです。股関節を上手に使い、左右どちらにも偏らない中心軸を自分の身体で自覚させていくのです。そうすると、正しく無理のない動きが出来ていきます。つまり、癖がなくなっていくのです。

ここで問題は、大腰筋をこれまで意識して使ったことがないことです。ある一定の姿勢でしか、大腰筋を使うことが出来ません。その姿勢作りが第一の課題になります。椅子に座って、体を反らさずに、両方の膝を軽く上げる気持ちになって下さい。お腹に力が入りましたか?股の間がむずむずするような感覚になりましたか?その姿勢が癖をなくす姿勢です。

岸 元(きしはじめ)

1日3分のゆらゆら運動!

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?首がすわる頃には?

驚くことに、3ヶ月の首がすわる頃には、すでに癖が出来てしまいます。子供の頃には、全く癖などなく、身体は正常だと思っている人が多いでしょう。体のバランスを崩すのは、何かの衝撃を受けたりとか、運動で無茶な使い方をしたときに起きるものだと思っている人がほとんどです。しかし、日常のほんの些細な動きで、人の身体はバランスを崩すものなのです。

赤ちゃんが仰向けで寝ているときに、親がいる方向がいつも同じとか、窓から明かりが差し込む方向が同じとか、いろいろな理由で左右どちらかに向きたい方向が決まります。同じ方向を見ようとしますから、頭を動かす頭部から肩胛骨内側に伸びている筋肉群が右か左のどちらかが緊張しっぱなしになります。これが身体の癖になって一生の動き方の癖になるのです。防ぐ一番良い方法は、3ヶ月までおむつをしないで自由に動くのがよいそうです。足と腰を固定しないで自由に動ければ、頚部の筋肉群だけ緊張するということにはならないようです。

では、寝ているときに出来た頭を支える筋肉群の偏りで、次にどんな影響が出るのでしょう。それは、立ち上がるときに始まります。

基本的に、直立するには身体の一番大きな、一番重量のある箇所をどうやって支えるか、が重要なポイントです。幼児の頃は頭です。頭部を支える筋肉群は、乳児の頃にすでに左右のバランスを崩しています。頭が傾いているのです。当然、身体の別の部分でバランスをとらないと、頭を直立できません。その別の部分が柔軟な胸部になります。

ある程度身体が大きくなる頃になると、肋骨で囲まれた胸部を直立させるのが、次の重要なポイントになります。例えば、頭を支える筋肉群の右側がより緊張しているとしましょう。これは、乳児の頃に一生懸命に右側を見ようとした証です。頭は左に傾いています。左に傾いた頭を支えるには、右の肩を下げれば頭は直立します。その結果、胸部は右側に倒れ、右側を前によじる形になります。当然、胸部の形は右側が凸の状態で側湾するので、腰部にかかる上体の重さは右側が重くなります。その結果、なるべく左右の足にかかる重さを均等に調整するために、骨盤の歪みが始まります。

重さの偏りが、少なければこれらの補正も小さい範囲で済みます。しかし、それだけ補正しても足りないときには、足にかかる重さは、右側の方が重くなります。偏った重さで、身体全体を支える筋肉の使い方も偏りますから、一部の筋肉の疲れから、腰痛、肩こり、下肢の痛み等を起こすことになるのです。

岸 元(きしはじめ)


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[02]癖は段々強くなる?美しい後姿?

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「歳を取ると、背中が曲がるから、いつも背中を反らせています。」と言う話を聞きます。正しい姿勢をしなくていけないと、子供の頃から何となく教えられてきました。でも、正しい姿勢ってどんな姿勢なのでしょう。カイロプラクティックの最初の授業は、カイロプラクティックの目的でした。その目的の一つに、正しい脊柱カーブを作ることがあります。

脊柱カーブというのは、前湾の頸椎、後湾の胸椎、前湾の腰椎、後湾の骨盤(仙骨)の4つのカーブのことです。骨モデルを見ると正しい脊柱カーブは分かります。では、骨モデルではなく、実際の人間ではどのようになるのが正しい脊柱カーブで立っていることになるのかは、教えてもらえませんでした。

これまでに、後ろ姿が美しいと思った60代の女性が一人だけいました。すっと立っているのです。この言葉以外に表現のしようがないくらいにです。どうしてこんなに美しく立っていられるのか、直ぐに尋ねました。「ずっと、バレエをしています。」なるほど!と思いましたが、次の疑問が出てきました。どうして、バレエをしていると美しい後ろ姿になるのか?

ここで初めの言葉に戻りましょう。背中を反らせると、どうなるのでしょうか?背部の筋肉は直立を維持するために、微妙な調整を行っています。乳児の頃から頭部を支える筋肉が左右で緊張が偏っています。胸部の肋骨の籠の形も歪んでいます。当然、直立するために胸部の後ろの筋肉も左右で偏らせています。さらに背中を反らせて力を入れると、その偏りはもっとひどいことになります。そのために、どんどん身体を歪めていき、背中が丸くなっていくのです。

では、バレエをしていると、何が違うのでしょう。姿勢を維持する筋肉の使い方が違うのです。良いと思っている姿勢を作るために、一般の人は背中を反らせます。背部の筋肉を緊張させて、姿勢を維持しようとします。しかし、意識的に使える背部の筋肉は、大きいですが薄いのです。持続力に問題があります。バレエでは、深層筋で一番強く、しかも一部の運動機能を持っている大腰筋を巧く使う姿勢を作り上げていきます。しかも、バーレッスンで常時その大腰筋を鍛え上げていくのです。

誰が見ても美しい姿勢と、背中の丸まった姿勢の違いは、使っている筋肉の場所の違いです。ですから、意識して自分の体を使っていけば、誰でも美しい姿勢になるのです。ここで一番の問題は、自分が今まで作り上げた姿勢が良いと思って続けていることなのです。

岸 元(きしはじめ)

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創刊:2007.09.24


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