2009年1月アーカイブ

[19]治療の仕方

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腰痛、肩のこり、頭痛、背部の痛み、膝、足首の痛み、臀部の痛みなどは、全て体のバランスを崩している状態です。バランスの崩れは、年齢と共に増していきます。日常の仕事、介護、生活の中で次第に崩れていくのです。

これまで日常生活での崩れを防止する方法をお話ししてきました。そして、元々持っている自分の癖治しの方法もお話ししてきました。ただ、それらがどうもマッチングしていないような感じなので、私が実際にやっている治療方法の手順をお話ししようと思います。

まずは、姿勢分析で私の方を向いて立って貰います。これは、左右どちらの足のどの部分に重さがかかっているかを見るためです。次に、椅子に座って貰い、背中の力をダラッと抜いてもらい、左右に回旋させてどちら側に上体が回旋しているかを見ます。頚部も同じように回旋の状態を見ます。そして胸郭(肋骨の籠)の捻れ具合を見ます。これは、腹側の肋骨の左右の高さを見れば直ぐに分かります。左右両方の肩関節の動き、腕を前後に動かしたときの鎖骨の動きを見ます。これで、身体の癖がどうなっているかを判断します。

治療する手順ですが、まずは仰臥位で寝て貰い、胸郭の捻れを作っている背部の肋骨頭部分にブロック(カイロプラクティックで骨盤調整に使用する物)を差し込み、20分程度寝ていて貰います。胸から腹部の胸郭が、左右横から軽く押圧して軟らかくなったところで、胸鎖関節部、肩鎖関節部、肩関節の調整を行います。この時点で、もう一度左右の足のどちらに重さをかけているかをチェックします。ほとんどの場合に、左右の重さバランスは大まかに改善しています。つまり、骨盤の調整をしなくても、上体の捻れを改善することで身体のバランスを回復しています。

その後で、勿論サブラクセーションを起こしている椎骨の調整を行い、無理なバランスで上体を支えなければならない骨盤の調整を行います。ただ、よほど無理をしているとか、長い期間捻れた状態でいる人には、胸郭と肩関節、肩鎖関節部にテーピングをして、正常な状態に近いバランスまでもっていきます。

上体の捻れを作っている原因は、肩、鎖骨の状態と胸郭です。これが15年間カイロプラクティックをしてきた私の結論になりました。手、腕の使い方で肩関節、鎖骨の動きに影響が出ます。胸郭にもその影響が出ます。しかし、逆に姿勢によって、手、腕の使い方が制限されます。だから、無理のない身体の使い方を日常生活で送るために、古武道の動きを取り入れたのです。

岸 元(きしはじめ)

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[15]姿勢の仕組み

[18]身体を治すには(2)

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さらに、おさらいと意識の持って行き方を練習します。仙骨の角度や胸骨の上げ下げで、大腰筋が使える練習を何度も話しましたが、要は頭の重さを踵で支えるのではなく、足の拇指球で支えるのが一番楽な姿勢になるのです。

ほとんどの人は踵で支えています。お腹を前に突き出した姿勢になりますが、この姿勢だと手、肩、足にかなりの無理をさせてしまいます。お腹を突き出した姿勢をすると、胸は下に下がります。胸が下がった状態では、腕を上げるときに必ず肩の筋肉を使うので、肘を横に出すようにして上げてしまいます。箸とお茶碗を持つときに、両方の肘を横に張って持ち上げるようになります。マウスを扱うときに、肘を横に出してしまいます。腕の重さは2~3kgあります。肩だけの筋肉でずっとこの重さを支えなければなりません。当然肩の筋肉は疲労し、次には腕を持ち上げるために頭を傾け、頚部の筋肉でも腕を持ち上げるようにします。自分の元々の癖だけでなく、さらに使い方で肩こりを起こしてしまいます。

下肢は常に上からの重さを支えています。お腹を突き出した姿勢になると、重さを支えるために太股の前側、ふくらはぎの筋肉を使うようになります。時には打った憶えもないのに、踵の痛みで来院してくる患者さんもいます。踵重心で、自分の癖の左右のバランスを崩した状態です。長い時間たったままの仕事とか、長時間の歩行でさらにふくらはぎの筋肉は疲労します。歳を取ると足首が太くなる原因です。

身体を治していくには、元々の癖治しと日常の身体の正しい使い方の両方をしていかなくてはなりません。その両方に効果のでる、常に胸骨を上げるという習慣を付けていきましょう。

胸を上げるという言葉で、ほとんどの人がやってしまうことは、両方の肩を後ろに引いて、背中全体を反らしてしまうことです。それでは、一番悪いお腹を前に突き出した姿勢になってしまいます。どういう意識でこの姿勢を作っていけばよいでしょう。

まず、足を前後に開いて下さい。どちらが前でもかまいません。そして、両腕を前から45度くらいの角度に上げて、前の方の足の親指の付け根に体重を移します。後ろの足はつま先で軽く支えているようになります。そこで、胸をそのままの状態にして、腕だけを下に降ろします。さらに、後ろの足を前の足とそろえるように、前に出します。それで、胸が上がった姿勢になります。自分の頭の重さがそのまま自分の足の拇指球の上に乗っているような感覚です。

岸 元(きしはじめ)

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身体を治すには

[17]身体を治すには

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カイロプラクティックへ治療に行ったときに、最初に問診をしてそれから必ず姿勢分析をされます。今の身体の歪みがどうなっているかを調べ、どんな姿勢で普段過ごし、この姿勢がどうやってできあがったかを調べるためです。その人の身体が今どうなっていて、その症状が出ているのかを推測するのですが、ほとんどの人が自分は姿勢が良いと思っているのです。ここに問題があります。

これまで何度も話してきましたが、良い姿勢って具体的にどんな姿勢なのでしょう。そして、日常生活でどのように生かせば身体を治し、不具合なく生活できるのでしょう?この疑問に応える一冊の本を見つけました「武道身体で生きる」対人技の神髄という日野晃先生の本です。この中で、胸骨の操作が身体のレベルを変えると言う項目があります。胸骨の上げ下げ、あるいは開閉で身体全体を操作できると言うものです。胸骨を意図的に動かすことで、大腰筋や腸腰筋、脊椎全体と肩胛骨を動かし、手足と連動させてしまうのです。トレーニングの方法など詳しくは読んでみて下さい。

仙骨での身体操作、胸骨での身体操作で共通していることは、大腰筋を使って姿勢を保つと言うことです。自分の体を動かすときに、どちらを意識してもおそらく同じ動きになるでしょう。姿勢が良いと思っている人のほとんどは、胸骨を下げています。そして、大腰筋が使えない仙骨を反らし過ぎた、お腹を出した姿勢をしています。「いいや!自分は、胸を張って背中を反らして、皆から姿勢がいいね、と言われる。」どうやって胸を張っていますか?どうやって背中を反らしていますか?問題は、ここの点です。

普通胸を張る時には、両方の肩を後ろに引いて胸を前に出します。胸を張っているようにも見えますが、胸骨は下に降りたままです。胸骨を上げるためには、へそよりも前に胸骨の上部を出さなくてはなりません。すると、両方の肩胛骨は下に下げられ、背中に力を入れなくても、背中が丸まらない姿勢になります。背中を反らす方に意識が行くと、胃の部分を前に出す姿勢になります。背中には力が入り、両方の肩胛骨を上げてしまうので、頚部から両方の肩を支える僧帽筋が緊張して、いわゆる肩のこりを感じます。

手足と身体の連動が出来ない姿勢だと、それぞれがバラバラに動くので、余計なところに力がいります。立っているだけで、ふくらはぎがパンパンになるとか、力仕事はしてないのに、座っているだけなのに肩のこりが酷くて、と言う人が、その悪い例です。

岸 元(きしはじめ)

[16]意識を変える

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私たちは日常の生活で必ず手を使います。これまで、中心から末端へ力を伝える方法とか、腕自体を上げる方法とか、個別にお話ししてきましたが、問題はどのように意識すれば、手が使いやすくなるかです。以前話しましたが、体はその人が意識したとおりに動いています。意識し、イメージを作れば、これまでよりはかなり使いやすくなります。そこで、意識を作る上での一つのサンプルについて話しましょう。

例えば、手で何かを押すときに、あなたはどう動きますか?右手で押そうとしたときには、右足を後ろ、左足を前にして、右足で踏ん張って押します。では、引くときには?左足でも、右足でも前に出している足で踏ん張って、後ろに引きます。この動きで通常動いているはずです。この動きは、子供の頃からこのようにすると動かせたと言う経験から導き出された「動き」です。このときにどこを意識しているのでしょうか?私は、腕に掛かる力を意識しているのではないかと思います。腕に掛かる力が大きいほど、沢山の力を出していると思いこんでいます。この腕に掛かる力は、動かそうと思っている物からの抵抗する力です。

これまでお話ししてきた「動き」の中に、動かそうと思っている物から、逆に自分の身体に抵抗する力を感じる動きはありません。どうしてかと言うと、自分の身体全体の重さを同じ方向に動かす動きだからです。つまり、前に押すなら身体全体の重さが前に行き、引くなら身体全体の重さが後ろに行くのです。前に押すときに、足は後ろに蹴り、その反作用で物を前に押すのではなく、足も身体も腕も、全体が前に出る動きなのです。

もっと訳が分からなくなりましたか?具体的に説明します。立っている時に、大腰筋を使える姿勢を思い出して下さい。両方の下肢を伸ばしたままで前に上げる感覚になる、でしたね。さらに前に上げようとすると前に身体を屈曲させる姿勢になります。単純に言うと、これが前に押す力になります。右手で物を前に押すときに、右足を前にして右下肢全体を前に上げようとします。押すために腕を伸ばす必要はありません。そのまま、下肢を上げる力を強くしていって下さい。左の足で地面を後ろに蹴らなくても、前に押す力が生まれます。物を引くときには、下肢全体を後ろに動かすように力を入れて下さい。身体全体で後ろに引く力が生まれます。

つまり大腰筋を使う姿勢であれば、動かしたい方向そのままに下肢を動かせば、その方向に力が発生するのです。身体を捻らなくても、その力が出るのですから、身体にかかる負担はほとんどなくなります。

岸 元(きしはじめ)

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[14]固定して動く(手)

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