2009年4月アーカイブ

[30]後ろ軸を練習して

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これまで正中の前軸で生活するように意識を使っていましたが、先週から後ろ軸で生活しています。この1週間で自分なりに分かったことをお話ししたいと思います。

自分の身体で一番よかったことは、頚部と腰部が非常に楽になったと言うことです。ご存じの通り、人の身体は側面から見た4つのカーブで身体を支えています。頚部の前が凸のカーブ、胸部の後ろ凸のカーブ、腰部の前が凸のカーブ、そして仙骨の後ろのカーブです。この4つのカーブで体重を無理なく支えているのです。体重の重い人は、4つのカーブが大きくなるし、軽い人はカーブが小さくなります。ただ、体重だけではなく、自分が良いと勘違いしている間違った姿勢でもカーブは変化します。特に、姿勢を安定させるために肩に力を入れている人は、腰椎カーブが大きくなります。結果、痩せていても胸部が丸くなり、頸椎部カーブも大きくなります。肩こりの酷い状態です。

この1週間、正中の後ろ軸で生活してみて、楽に感じるところは、頚部と腰部です。私自身もカーブを大きくしていたようです。後ろ軸を作る感覚は、腰部から頭までを均等な後ろ凸の緩やかな湾曲を作る感じです。頭部を胸椎5番で支え、上半身を仙骨2番に乗せている感覚です。(参考までに、前軸ではへその奥で上半身を支え得る感覚です。)立位では、足底全体よりやや踵に体の重さを感じます。(前軸では、やや前足底です。)重量物を抱えても、腰部に無理な力を感じません。

前軸、後ろ軸の練習をすると、自然と中立の軸を意識できるようになりました。これは便利です。どんな動きにも対応できます。いわゆる自然体と言うのでしょうね。手の上げ下げ、突き引き、足の全方向の動き、全部に対応できます。下腹部のペコンが全ての動きの出だしの条件ですけど。

そうしてみると、どうして武道には色々な構えがあるのだろうと言う疑問がわいてきます。自然体が出来上がってみると、一番楽で一番動きやすい構えなのに?逆に色々な構えでいろんな動きを練習しないと、自然体にはたどり着けない構えなのかもしれません。

どうですか?自分自身の身体にだいぶ慣れてきましたか?その動きの目的通りの軸を使っていますか?右手を挙げるときは右股関節内側の軸、右手を下げるときは左股関節内側の軸、両手を上げるときは前軸、両手を下げるときは後ろ軸。そして、窓ガラスを雑巾で拭くときは、左右の軸を交互に揺らしてゆらゆら運動です。どんな動きでも、動き始めに軽く下腹部をぺこっから始めて下さい。

岸 元(きしはじめ)

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[29]正中の3本の軸

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身体の軸で、左右の股関節内側部と正中の3本の軸の話しは、これまで何度もしてきました。今回は、正中の前、中、後ろの3本の軸のお話です。

「孫が帰ってくるのは嬉しいんですけど、何週間もいられると私の身体が、ガタガタになってしまって。」と治療にいらっしゃる50、60代の女性が多くいらっしゃいます。娘はここぞとばかりに、上げ膳据え膳で子供のおもりも任せっぱなし、と言う話をよく聞きます。何が大変かといって、「抱っこ」です。保育士さんからも、肩こり、腰痛のことでどうしたらよいのかと聞かれることがよくあります。

このことと正中の3本の軸、重要な関係があるのです。これまで自分の体を自由に動かすには、中の軸から前の軸を使ってきました。その方が、自分の回転軸が巧く使え、胸骨の上げ下ろしが楽に出来るからなのです。前、中、後ろの軸を使うにも、下腹部をぺちゃっと引っ込めるのは同じです。では、後ろの軸はどんな特徴があるのでしょう?もうおわかりですね。垂直の力を支えるのにとても便利な軸です。あるいは、前からの力を受けたときに、その力を体の中で垂直方向に変換して足に逃がす軸なのです。どちらにしても力を巧く足に逃がすことが出来ます。

後ろの軸の作り方ですが、へそから足までは同じです。前の軸は、胸骨を前(上)に出す。中の軸は、胸骨中立。そして、後ろの軸は胸骨を後ろ(下)にします。さて、正中の軸を後ろにして子供を抱っこしてみましょう。右腕でも左腕でもかまいませんから、肘から手首までの間に子供のお尻を乗せるようにして、手首は軽く反らします。示指を屈曲させないようにして下さい。反対の手で背中が後ろに倒れないように軽く支えます。胸骨を後ろ(下)にして、腰部は絶対に反らさないように注意して、背中全体が丸くなるようにして立って下さい。丁度、大きな樽を身体の前に抱え込むような感じに腕も大きな丸を作るようにして下さい。

いかがですか?縦方向からも横方向からも身体の軸を崩さずに立っていられるはずです。腕の力は使わずに済みます。もし、腕に力を感じるなら、腕の大きな丸を作るときに、両方の肩を上げずに下げるくらいの気持ちで、手の指先から大きな丸を作るイメージで姿勢を作って下さい。

足底の重さを感じる位置は踵にはきませんが、足の裏全体に感じるようにして下さい。正中前の軸では足底の拇指丘に重さを感じますから、それよりは若干外側になるようです。身体がしっかりしている子供なら、片腕でも姿勢を崩さずに抱っこできますよ。

岸 元(きしはじめ)

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[08]身体の軸(2)

[28]身体は正直

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自分の意識をへその奥に常に持っていっていると、身体全体の力が抜けてきます。すると、段々と自分の身体のことが分かり始めてきます。身体に疲れがたまってきて、筋肉・骨格だけのバランスではこの疲れがとれてこない。と感じてくるのです。こう言うときに、風邪を引きます。風邪は血液のバランスをとるためにかかるものだと、習ったことがありますが、20年前にはそうは思えませんでした。ある整体の先生が、「風邪は自分で引く物だ。」と言っておられました。???でしたが・・・。ただし、自分で引いた物なら、3日で症状が取れなければいけない。とも。

身体操法を月に1回練習し始めて1年が過ぎました。今年の1月のことです。何だか身体が妙な感じです。そろそろ、風邪を引いた方がよいのかな、と思いました。ここで試してみようと思ったのです。風邪を引きたいと思いました。本当に風邪を引きました。人に言っても、「偶然でしよう。」と言われるだけでしたが。体はさらにだるくなり、本当に風邪の症状です。鼻水・咳。この状態が4日間続きましたが、勿論薬は飲んでいません。その後、身体が非常に楽になっていたのです。信じますか?

眉唾物だと言われる人のために、もう一つの話しをしましょう。肩と背中の力が抜けてくると、今、自分のどこがどんなような状態にバランスを崩してきているかが分かるようになります。その時には、胸郭(肋骨の籠)のゆがみを修整するようにテーピングをします。それと、右の肩鎖関節の動きが正常になるようにもテーピングします。大体数日で体のバランスを回復してきます。

その背中と肩の力を抜く方法が知りたいですよね。では基本的に、人が二本足で立つ時には、姿勢を安定させようとすると腰部か肩に力を入れていないと安定しません。多くの場合に、意識を背中に持っていきますから、自然と肩に力が入ります。これまでの姿勢を思い出してみて下さい。へそから下部をぎゅっと凹ませるのです。それで大腰筋が緊張し腰部が安定します。後は、上半身の重さをそこに乗せているだけでよいのです。すると、背部にも肩にも力を入れずに済みます。これは本当に訓練です。

「ストレスがきつくて、肩こりがどんどん強くなります。」と言って来られる方もいらっしゃいます。自分が嫌だと思えば、直ぐに身体はそのように反応します。主に副交感神経支配の筋肉群が強く緊張してしまいます。頚部の筋肉群や僧帽筋の上部です。当然肩こりを感じるようになります。この状態が慢性化すると、肩こりも感じないくらいになります。「あんた、肩ガチガチじゃね。」「いいや、私は肩こり感じたことがないんよ。」と言う会話になります。いずれにしても、下腹を凹ませる訓練を意識的にやってみて下さい。

岸 元(きしはじめ)

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[17]身体を治すには

[27]意識と身体(2)

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先日の身体操法の勉強会でおもしろい体験をしました。手首を握られ、「動いてみて」。全く動けません。次に、「もう一度動いて」。今度は、身体は動けましたが、腕を動かすことが出来ませんでした。相手は全く動くことなく、意識を変えるだけで私の身体全体を動けなくしたり、腕だけを動けなくしたりするのです。

相手の中心軸に意識を向けて、その動きを手の筋肉で感じると、相手の全ての動きをとらえることが出来ます。相手の肩に意識を向けると、腕全体の動きをとらえられ、相手の腕を制御できます。ただ、腕の動きに意識を向けただけだと、相手の中心からの動きが全く分からないので、投げられてしまいます。

これを自分の身体に置き換えてみましょう。私たちは日常生活で自分の身体に意識を向けていることがあるでしょうか?どこかに痛みを感じるとか、緊張感を感じるときであればそこに意識が行きますが、痛みや緊張感を感じていないときには、身体のどこにも意識を向けていないでしょう。では、どうやって自分の姿勢を制御しているのでしょう。「良い姿勢をして下さい。」と指示すると、ほとんどの人の意識は背中に行きます。背中の筋肉を緊張させると良い姿勢だと思いこんでいるからです。背中を緊張させると、腰部の筋肉群が一番働きやすいですから、腰部と仙骨を伸展しすぎてしまいます。腰痛を起こしやすい状態になります。

PCを使っているときには、どこに意識が向くのでしょう。目です。文字が見えやすい、あるいは、モニター上の何かの動きをとらえやすい姿勢をとってしまいます。目に意識がむくと、顔を前に出し背中を丸めてしまいます。その結果、自分の腕を前に上げるときに、肩の筋肉だけを使うようになりますから、肩の緊張感が出ます。頚部を過伸展させてしまうので、頚部の緊張も出るようになります。目が疲れやすくなります。

では、どこに意識を向ければよいのでしょう。それは、自分の中心軸です。中心軸でも腰椎4番です。そこに意識を向けると、ちゃんと大腰筋全体が働いてくれるようになります。下腹部をへこませて、胸を上に上げて頭頂部を上から吊したように、まっすぐ上に伸ばす、と言う姿勢を一つ一つ作り上げなくても、勝手にその姿勢になります。

オリンピック選手にイメージトレーニングをさせると、実際に走っているときと同じように、筋肉が動くそうです。それは、自分の体を使って実際に何度も動いてきたから、イメージだけで反応してしまうからなのでしょう。私たちの日常生活も同じです。これまでお話ししてきた動きを、実際に外部への力を出すように練習してきていれば、意識だけで自分の身体を正しく制御できるようになります。

岸 元(きしはじめ)

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[26]意識と身体

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創刊:2007.09.24


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