[30]後ろ軸を練習して

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これまで正中の前軸で生活するように意識を使っていましたが、先週から後ろ軸で生活しています。この1週間で自分なりに分かったことをお話ししたいと思います。

自分の身体で一番よかったことは、頚部と腰部が非常に楽になったと言うことです。ご存じの通り、人の身体は側面から見た4つのカーブで身体を支えています。頚部の前が凸のカーブ、胸部の後ろ凸のカーブ、腰部の前が凸のカーブ、そして仙骨の後ろのカーブです。この4つのカーブで体重を無理なく支えているのです。体重の重い人は、4つのカーブが大きくなるし、軽い人はカーブが小さくなります。ただ、体重だけではなく、自分が良いと勘違いしている間違った姿勢でもカーブは変化します。特に、姿勢を安定させるために肩に力を入れている人は、腰椎カーブが大きくなります。結果、痩せていても胸部が丸くなり、頸椎部カーブも大きくなります。肩こりの酷い状態です。

この1週間、正中の後ろ軸で生活してみて、楽に感じるところは、頚部と腰部です。私自身もカーブを大きくしていたようです。後ろ軸を作る感覚は、腰部から頭までを均等な後ろ凸の緩やかな湾曲を作る感じです。頭部を胸椎5番で支え、上半身を仙骨2番に乗せている感覚です。(参考までに、前軸ではへその奥で上半身を支え得る感覚です。)立位では、足底全体よりやや踵に体の重さを感じます。(前軸では、やや前足底です。)重量物を抱えても、腰部に無理な力を感じません。

前軸、後ろ軸の練習をすると、自然と中立の軸を意識できるようになりました。これは便利です。どんな動きにも対応できます。いわゆる自然体と言うのでしょうね。手の上げ下げ、突き引き、足の全方向の動き、全部に対応できます。下腹部のペコンが全ての動きの出だしの条件ですけど。

そうしてみると、どうして武道には色々な構えがあるのだろうと言う疑問がわいてきます。自然体が出来上がってみると、一番楽で一番動きやすい構えなのに?逆に色々な構えでいろんな動きを練習しないと、自然体にはたどり着けない構えなのかもしれません。

どうですか?自分自身の身体にだいぶ慣れてきましたか?その動きの目的通りの軸を使っていますか?右手を挙げるときは右股関節内側の軸、右手を下げるときは左股関節内側の軸、両手を上げるときは前軸、両手を下げるときは後ろ軸。そして、窓ガラスを雑巾で拭くときは、左右の軸を交互に揺らしてゆらゆら運動です。どんな動きでも、動き始めに軽く下腹部をぺこっから始めて下さい。

岸 元(きしはじめ)

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