[31]男の精神解放 四.

男は、ある種、集団で強迫観念にかかっている。
ほとんどの男は、みずからの不器用さにみずから首を捻るが、それでいてそれを仕方ないもの――と思い込んでいる。男がそろってそうあるために、そう思い込むのだろう。不器用なのが、男の性とね。

しかし、男の病とはたいしたものだよ。
会社のデスクに陣どる、難しい顔の課長をみてごらんよ。
彼は言葉すくなく、笑顔もほとんどない。男の性といえば、こんな小難しい人間のすがたが頭にうかぶよ。
彼は、なにを考えているのかまったく分からない。なにしろ、しかめっ面以外は感情を表にださないからね。

このような人物を、いったい誰が愛せるね。妻や子供からうっとうしがられるのも無理はないよ。
無論、家族だけでなく、これらの人種は世界中の誰からも愛されない。愛されるはずがない。
なにより、こんなのは本人が一番嫌だろうに(笑)。

彼はある意味で、センチメンタルといえなくもないが、もうそろそろ不幸の構図から抜け出したらどうかね? 保証してあげるよ、あなたは不幸の湧きでる壺のなかにいるとね。

一昔前は、「男は度胸、女は愛嬌」といったが、今や女は、度胸も愛嬌も兼ねそなえたよ。みずからの力で、彼女たちはそれを手にしたんだ。
男もそろそろ、多少は愛嬌の術を身につけたらどうかね?
自分の力でしか、不幸をぬけ出す方法はないのだからね。

染みついた習慣を洗いながすには、多少時間がかかるだろう。
あなたがたの男らしさは、絶えずかっこよさを要求するし、堂々としていることを見せかけようとする。自分すらうまく表現できないのに、表面上をとりつくろうとね。

それより、仮面を脱ぎすてたらどう?
あなたは自分らしくありさえすればいいんだから。それほど難しいことではないよ。
本来、トータルなあなたは、男らしいところも女らしいところもあるはずだよ。もし、今のまま変われないというなら、もちろんそれはどうしようもない。

ただ、あなたの奥深いところではわかっているはずだよ。自分には男女両面あるとね。
あなたのなかにしか、どんなときも、どのようなことも真の答えはないのだからね。

あなたはあなたの信じたことをやればいい。その信じたこと、それこそがほんとにすべてだよ。

椎名蘭太郎

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