[339]「なにとぞご了承ください」ではなく…

お客様とのメールのやり取り。なかなか気を使います。

何かの問い合わせがあったとき、お客様の要望に100%応えられれば一番よいのですが、社内事情で充分に応えられないときがあります。

そんなときは、事情を説明し、「なにとぞご了承ください」と文章を閉めることとなります。

例文
当社従業員のサービスが至らず、大変申し訳ありません。
早急に従業員教育をいたしますので、なにとぞご了承ください。

しかし、この「なにとぞご了承ください」は結構一方的な言い方であることを担当者は知っておく必要があります。

この言葉の裏には、お客様の要望には一切応えておらず、社内事情を説明して終わり、というニュアンスがあります。この言葉で閉められたメールを読んだお客様は、「問題は全く解決しておらず」、「悲しい気持ちになっている」かもしれません。そしてなにより絶対に「了承」していません。

こんなとき「なにとぞご了承ください」ではなく「なにとぞご理解ください」としてはいかがでしょう?

例文
当社従業員のサービスが至らず、大変申し訳ありません。お客様のおっしゃるとおり当社で従業員教育が急務であることは認識しておりますが、教育にはコストもかかることからなかなか進んでいないのが実情です。長期的な計画を持って従業員教育をいたしますので、なにとぞ現状をご理解いただきたくお願い申し上げます。

「ご了承」ではなく「ご理解」ですから、より詳しい社内事情を説明します。ここまで内情をばらすか、というところまで説明し、そして理解を求めます。

了承くださいという上から目線ではなく、お客様のところまで降りていって、事情を説明し、理解してくれるまで説明するのです。「なんだそういうわけがあったのね」と同情されるくらいまで降りていきます。お客様から理解されるくらいの説明が、企業には求められているのです。

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