[273]フランス旅のマナー(1)/夢路とみこ

今号より全4回にわたり、フランス在住の「夢路とみこ」さん執筆によるフランス旅のマナーをおおくりします。お楽しみください。

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長期でしかも貧乏旅行となると必要なのはコインランドリー。私もいつもお世話になってます。町に着いたら観光局に立ち寄って地図を貰うのは当然だけどランドリー、郵便局、コイントイレ、夜間や日曜日も営業中のスーパーの場所確認もしておくと便利です。ランドリーに行く前に用意すべきは1ユーロと50セントコイン。両替機はあっても壊れてる事が多いので事前に郵便局にある自動両替器を利用しておくと良し。

洗い方ボタンを選択するとき、白物ならBlanche、色物ならCouleur、2回洗いならSynthetique、ウールならLaineを選ぼう。洗剤を入れる口が3つに分かれていたら一番小さい口が柔軟材を入れるところです。洗濯中に場所を離れるのは危険。洗い終わったものを勝手に退かして自分の物を入れるなんて事は良くある事、盗みも多し、でも図々しい人は洗濯中に自分の洗濯物も入れて洗うなんて破廉恥なことをする人もいます。この手は大学の寮の洗濯機に多いとか聞きます。

日本の洗濯機は渦巻き式で上から物を入れるから蓋が簡単に開くけれど、こちらはドラム式で横から物を入れるので表のドアを開ける事になります。このドア、引いて開くタイプとボタンを押して開くタイプとあるので分からない場合は他人のやる事を真似しよう。物を入れてドアを閉めてからコインを入れます。先にコインを入れると勝手に水が出て大変なことになるので要注意。また日本のランドリーと違いここにはスニーカーを洗う洗濯機がないからと言って、スニーカーを普通の洗濯機で洗うのは厳禁です。これはマナー違反も良いところ。また、ホテルの洗面所でじゃぶじゃぶと洋服を洗うのもマナー違反。特に水不足問題が尽きないこの国ではホテルにも「節水のご協力を」と呼びかけていますので、ランドリーへと。

両替機でコインを獲得したらキープしたいのはランドリーで必要な1ユーロ、50セント以外は20セントコイン。これはよくコイントイレで必要です。都会なら駅でもお釣りをくれるオバちゃんの有人トイレがあるけれど、地方はだいたい無人だから頼みの綱はコインのみ、でもお釣りは出ないし、きっちりと必要コインを入れないとトイレのドアは開きません。旅の終わり、コインが残ったら成田空港到着ゲートにUNICEFの募金箱があるのでそこに入れてあげて下さい。貴方が無事に帰国できた事を感謝し、また旅に出れるようにと祈りを込めて。

<続く>

夢路とみこ