[269]無病息災

2006年は1月5日が寒の入り。今日は6日ですので、喪中ハガキを出した人、受け取った人、年賀状を出し忘れた人は寒中見舞いを出しましょう。さて、今日は昔から言い伝えられている「無病息災」の話です。

「無病息災」とは、全く病気をせずに健康であることをいいます。似たような言葉に「一病息災」というのもあります。これは、全く病気をしない「無病」よりも、ある程度病気をした方がかえって健康に気遣うので、より健康長寿を得る、といった意味のものです。

たしかに、病気に対する痛みや苦痛を知っていれば、それに備えようとする防御免疫が働きます。全くの無病で過ごせば、重大な病気に遭遇したときに対処することができず、免疫も無くやられてしまうということはあると思います。無菌状態で暮らすよりも、有る程度の雑菌のなかで暮らすほうが免疫力が上がるというのは一理あることです。

さて、無病息災の「息災」はどういう意味でしょうか。

息災は災いに遭遇せず無事に過ごすという意味に使われますが「息災」はじつは仏教用語で、「天災・病気・犯罪などの一切の災害を消滅させる」意を表しています。消滅させるのは仏様の力です。「息」は「消」と同義で消し去るの意味があります。

暦に息災日(そくさいにち)というのがあります。このいわれですが、金神(こんじん)という大変恐れられている神様がいるのですが、この神様がいる方向は大凶なので何もしてはいけないとされています。

しかし、この神様結構遊び好きでいろいろな方向へ遊行するのです。遊行に出かけているときは、大凶の方向でも事を起こせます。また、春の丑の日、夏の申の日、秋の未の日、冬の酉の日は金神の間日(まび)として、金神の方向を冒しても差し支えないとしました。この日を息災日というのです。