[267]障者者用駐車スペース

社会ぐるみのバリアフリー計画も遅々としておりますが進んできているようです。新しくできたスーパーやショッピングセンター、公共施設の駐車場には障害者用の駐車スペースが多く設けられるようになりました。しかし一方でこの障害者用の駐車スペースを巡るトラブルも多く見受けられるようです。

まず、障害者用の駐車スペースに停める明らかに健常者のクルマ。中から出てくる人間は車椅子を出すこともなく、車椅子を使用する同乗者もなく悠然とそのまま店内へ。こういう人が増えてくると、ただでさえ少ない障害者用の駐車スペースを、肝心の障害者が利用しようとしたときに使えないという事態に陥ります。

障害者用のスペースは店内に入りやすいよう入口のそばにあるのが普通です。しかも雨よけもついていることもあります。それは紛れもなく障害者に対する店側の配慮であるのに、それをいいことに健常者が使用してしまうのは、マナー違反を通り越して罪に値する行為であるといえます。

しかし、現状ではこれを取り締まる法律はありません。あくまでも健常者の良心に訴えるしかないのです。店としては障害者のみが使用する、あるいは障害者以外は使用させない、などの厳密な管理などできるはずがありません。

また現実問題として、何をもって障害者とするかという問題もあります。障害者手帳を持っているか否かで駐車スペースを使わせるかどうかというのはあまりにも管理過ぎます。店側とすれば、障害者だけでなく、たまたま腰が痛い人や歩くのが遅い人、あるいは妊婦など、障害者に関わらず使いたい人に使ってほしいというユニバーサルな考えがあります。

健常者の駐車を抑止するために、サインポールやバリケードなどを使用すれば今度は障害者の方からクレームがきます。障害者のかたがポール等を前もって移動するのは至難であることが理由です。これでは本末転倒ですね。現状では健常者のモラルに任せるしかないのが現実のようです。

また、店側の話によれば、障害者の方のマナー違反もあるようです。障害者用の駐車スペースが空いていないと、それを理由に怒鳴り込んでくる例がかなりあるとか。障害者用の駐車スペースは、店側が来店客に配慮したものであり義務ではありません。それを当然のように主張するのはこれまたいただけません。障害者も謙虚な気持ちで障害者用のスペースを感謝し、健常者は障害者の方の為にそのスペースは空けておくなどの精神が必要と感じる今日この頃です。

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