[165]電子メールは見られている

通信手段として郵便書簡しかなかったころにとって、電話が発明されたことはまさに画期的なことだったと思います。そして今、さらに便利な通信手段として登場した電子メール。これまた通信コストの削減に大きく貢献しようとしています。

パソコンのキーボードに拒絶反応を起こしている管理職を横目に、若手社員のインターネット活用の波に押され、どの企業でも通信手段に電子メールを取り入れて業務改革に取り組んでいるところが多いと思います。

かくいう私も某社で電子メール活用の推進を行なっている一人であります。電子メールの活用をプレゼンしますと、どの古株管理職も賛同することはするのですが、実際彼らは使うのでしょうか?果たして大きな疑問だったりします。

さて、その電子メールですが、ウイルス騒ぎに代表されるように、本当に使えるものなのでしょうか?答えは「可」ともいえ、また「不可」ともいえます。

メールは気安い通信手段として、社内用、社外用を問わず使う人は使っています。その気安さゆえついプライベートなことも書きがちです。しかし電子メールは裸の媒体で、郵便封書のような秘匿性がありません。つまりサーバーを覗くことができればだれでも見れてしまう、ということです。したがって恥ずかしいことを書かないよう、内容には気をつけなければなりません。デートのお誘い、飲み会の回覧板、顔文字乱発メールなどもってのほかです。

社用で使っている場合は、まずサーバー管理者に見られていると思ったほうがいいでしょう。彼らは、社外秘の情報がメールで漏れていないか、また社用を装って個人用に使われていないかをチェックするのが仕事です。会社のドメインのメールアドレスは社用以外には使わないほうが無難です。どの会社でも同じですが、社用を私用に流用した場合は最悪解雇となりますので注意しましょう。

電子メールは社内のサーバーチェックだけでなく、社外の人にも見られる可能性もあります。新規プロジェクトなどの重要な連絡は、今までどおり電話やファクシミリを使ったほうが安全です。

よく見るメールの最後につける署名。社用でつけるときは会社名、住所、電話番号、電子メールアドレス、ホームページアドレスなどは必要だと思います。返信するときにもあて先部署になりますし。しかし、個人のメールに署名は禁物です。誰が見ているかわからないメールに個人情報を載せてしまう危険さはいまさら述べる必要も無いでしょう。

そもそも電子メールは無料のインターネットを利用したものですから、届いたかどうかも保証しません。もしかしたらどこかで迷ってしまっているかもしれないのです。まさに自己責任で使う。それが電子メール。気安さに慣れてしまうと思わぬ落とし穴があるかも。

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