[156]コンビニトイレ

大勢でドライブに出かけるときなど、ちょっと前まではトイレに気を使ったものです。早朝などはトイレはガソリンスタンドに頼るしかなく、ガソリンを入れるときも次のガソリンスタンドでトイレを借りるためにわざと満タンにしなかったり、いろいろ考えました。しかし、今ではこのような気遣いは無用。犬も歩けば棒にあたるほどのコンビニの乱立。おかげでどこに行ってもトイレに困ることはありません。

それでもコンビニエンスストアが普及しはじめてまだ珍しいころは、今のように気軽に利用はできませんでした。トイレは貸さない、あるいは頼み込んで借りるということをした時代もありました。それがいつしか競争の波にもまれ、きれいなトイレがコンビニの戦略自体になってきました。

こうしてかなりコンビニトイレも洗練されてきましたが、便器は男女兼用の和洋折衷型が主流で、ドアには店員に声をおかけくださいの張り紙があったりします。和洋折衷型のトイレは足の不自由な人にはかなりつらいものがありますし、声をおかけくださいとあるので、一応店員に声をかけますが、声をかけたところであまり意味を成さないのが現状です。

そんな中、最近見かけた新しいコンビニはやってくれました。まず、男女別の個室になっています。しかも洋式洗浄便座付きです。男子用には小便器が別に用意されています。そして極め付けは、入り口にある張り紙が「どうぞご自由にお使いください」です。つまり、声をかける必要がない。

このコンビニは、今までのちょっと??な部分を思いっきり払拭してくれたとても気分のいいコンビニです。声をかける意味、そして快適性に疑問な和洋折衷型を排除した店長のその心意気は賞賛に値すると思います。

ここまでくるのになぜこんなに時間がかかったか?それは、コンビニを利用する顧客側のマナーの悪さにあったと思います。商品を精算しないでトイレに持ち込む客。万引き防止のため、声をかけるようにしたのでしょう。

またトイレだけ借りて汚すだけ汚して何も買わずに帰る客は、店からみれば好まざる客です。トイレだけ借りるのではなく、やはりお茶の一つやガムなどを買うのが礼儀。コンビニは慈善事業ではなく商売なのです。そんな客のマナー感覚の欠如が、店側を身構えさせる原因となった背景を見逃すことはできません。

そういえば以前コンビニのトイレでこんな張り紙を見たことがあります。

『汚したら掃除してもらいます』

その気持ち、よーくわかるような気がします。