[114]チップ

今号はたまごやライターの「夢路とみこ」さんのコラムをおおくりします。

■チップ

海外で時々頭に来るのは外国人と見たら押しつけがましいサービスをするギャルソンがいる事。日本と違ってサービスが無料奉仕でないこの国では米国のような笑顔一杯のフレンドリーさはあまりなく、注文を取りに来るのや注文の品が届くのが遅いのはしょっちゅう。日本と違って席に着いたらお水が出る事はないから水は注文しなければなりません。水の注文対応が私には良い店のバロメーターとなっています。

外国は水が美味しくない、汚い、だからミネラルウォーターを飲むと言うのは嘘ではありませんが、こちらの人が平日にビストロやブラッスリーで定食メニューを食べるのにエビアンやヴィッテルを別途料金で注文している人は多くありません。大半は水道水をお願いしています。もちろん水道水だから無料。ちょっと良いレストランなら浄水機を使っているから水道水でもそうまずくない。

気の効いた店は注文しなくても食事と一緒に水道水を持ってきてくれます。通常は、食事と一緒に何を飲むか聞かれます。現地の人でも昼間からワインはちょっと、又はランチ代を節約している人はそのまま水道水、carafe d’eauを注文。サービスの悪い店だと聞こえないふりして業と有料のミネラルを持って来たりもします。

フランスでは料金の中にサービス料込みですが、給料そのものが安いギャルソンの仕事はチップに頼る事が多く、また売り上げも彼らの給料に何らかの差をつけるらしい。レシートに担当ギャルソンの名前が書いてある所もあるのでしつこい位に頑張る人もいます。サービス業に詳しい人に聞いたら、お客がcarafe d’eauと注文したらそれは厳守の事、有料のミネラルを押しつけるのは違法だそうです。とにかく紙に書いても相手を納得させよう。

観光客の多い都市となるとこの様な店は多いし、また日本人と見ると金払いが良いからちょっと押しつければ有料のミネラルでもおとなしく飲むと思っているギャルソンもいます。でも高級レストランではスマートにミネラルを注文したいものです。

でもサービスが悪かったとしてもチップを全く置かないという厳しい処罰はご勘弁を。これはこちらの慣習でありマナーです。チップも彼らの重要な収入源なのです。目安はコーヒー一杯が飲める位で良いでしょう。カフェでコーヒーを注文した程度ならばチップは不要だと思いますが、私はランチや夕食を取った時はやはり一応に1Eくらいを置いています。サービスに大満足したときはもう少し、でも私の平均はこの位です。

夢路とみこ

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「ブルゴーニュ通信局」