[120]エスカレーター

先日私用と公用の半々位の用事で渋谷に出かけてきました。渋谷に行くと道玄坂を散策するのが好きなのですが、道玄坂って昇って行くと結構キツイ坂です。ところが2年位前から井の頭線乗場上空にマークシティという巨大なビルができ、駅からこのマークシティイーストのエスカレーターで3階まで行きウェストのほうに抜けると、丁度道玄坂を昇りきったところに出るので私のような老体には大変便利です。

ちなみにここマークシティにはメルマガ発行サイトで有名なmelma!を運営する(株)サイバーエージェントのオフィスがあります。さらに述べますと、青山通りを挟んで対峙するセルリアンタワーというこれまた巨大なビルにはこれまた発行サイトで有名な「まぐまぐ」のオフィスがあります。渋谷はメルマガのメッカなんですね。

さて、何の話かと申しますと「エスカレーター」の話です。最近では身障者の為の福祉事業として公共施設のみならず民間の施設でもエレベーターがかなり普及してきましたが、やはり便利なのはエスカレーター。このエスカレーターで最近感じることは、どんなに混んでいる時間帯でも急いでいる人のため右側を空けている、ということです。この習慣はいつからなのでしょうか?昔はこういうことはしなかったように思います。

調べてみると、これは海外からの習慣(大雑把なくくりですが)が日本に伝わってきたらしいということがわかりました。確かに空港の動く歩道で後ろからエクスキューズミーと進路を空けるように声をかけられた覚えがあります。どうも海外ではこれが当たり前のようです。

また、日本でも関西のほうでは左側を空けるようで、同じ日本の中でも習慣が違うことにはいつもながら面白いと思います。日本人は右利きが多いので左側に立ち止まるというのが自然なようですが。

とある企業で、ある売り場のエスカレーターの利用が混沌としており、顧客から右側を空けるよう張り紙をしたらどうかという要望があったそうです。しかしよく考えてみると、動くエスカレーターは一歩間違えれば危険な乗り物でもあるわけです。そこを急ぎ足で歩くというのは一見合理的なように見えますが、混雑時にそれが元で事故が発生したら一体誰が責任を取るのでしょうか。

企業の担当者からすると、右側を空けるような張り紙ではなく、エスカレーターではベルトにつかまり動かないで静かにお乗りください、とアナウンスするのが正解と思います。

では急いでいる人はどうしたらよいのか、といいますと、エスカレーター脇には大体階段があると思いますので、それをイッキに駆け上ればよいと思います。運動不足も解消しますし。

地下鉄大江戸線も地下深いホームから上がっていくのに5つくらいエスカレーターを乗り継ぐところがありますが、ここでも一直線に右側が空いていて、見事とさえいえる景観を見せてくれますが、一見妥当なように見えるマナーも視点を変えると危険が潜んでいたり、本質を考えるとちょっとおかしいぞ、という場合もあります。