[099]トイレを汚さないでください

ある店でトイレに入るとこういう張り紙がしてありました。

『トイレを汚さないでください』

あらま。お客の私はお店のご主人に叱られてしまいました。しかもまだトイレは汚していません。

よっぽどトイレを汚された経験がある店なのでしょう。掃除も大変ですからご心中を察すれば無理もないかなと思いますが、もう少し書きようがあるのではないでしょうか?

こういうのもあります。

『トイレはみんなで使うもの。きれいに使いましょう』

これはよくあります。ですが、社内のトイレで内輪の人たちにあてた貼り紙ならいいですが、お店の場合は「みんなで使う?当たり前じゃん。余計なお世話だよ」と思ってしまいます。

『いつもきれいに使ってくれてありがとう!』

多少イヤミを感じなくもないですが、素直に受け止めれば「そうか、お礼を言われちゃ汚すわけにはいかないな」とこうなります。刺激の少ない、うまい例だと思います。

傑作なのはこれ。

『汚したら自分で掃除してください。掃除する人の身になってください』

たしかにおっしゃるとおりです。まさにおっしゃるとおり。掃除する人も大変でしょう。しかし掃除する人はそれが仕事なはず。掃除人に叫ばれるいわれは無いと、反発してしまうでしょう、これは。

お店の場合、売り場に対しては結構敏感ですが、トイレに関しては意外と無関心なようです。汚されることばかり気を使っているような気がしますが、トイレの中もお店なのです。汚されても文句を言ってはいけません。

繁盛すれば当然トイレの使用頻度も増えます。汚れて当たり前、というか汚れが繁盛のバロメータ。故意に汚すお客はそうは居ないはずです。しかたなく汚れてしまうのです。お店のご主人は喜んでお客が汚したトイレを掃除すればいいのです。それが仕事です。お客を非難するような張り紙などもってのほか。

最後に極めつけ。

『トイレットペーパーをもって行かないでください。それは犯罪です』