[265]ボンボニエール

紀宮さまと黒田慶樹さんが結婚されました。皇室典範の見直しや天皇制のあり方など、皇室にも大きな悩みがありますが、一人の人間として節目となる結婚にまずは祝したいと思います。披露宴の引き出物として使われたのがボンボニエール。ちょっと話題となりましたね。

ボンボンとは砂糖菓子のこと。フランス語の美味しい・良いなどの意味のあるBON(ボン)が幼児語などで同じ言葉を続ける習性がフランス語にはあるため、ボンボンというようになったものです。当初はシンプルな砂糖菓子を指していいましたが、今ではチョコレート・ボンボンなどのように美味しい一口チョコレートという意味で使います。ボンボンショコラなど、洋菓子の世界ではボンボンは芸術品といえるほど丁寧に作られたものもあります。

ボンボニエールはそんな砂糖菓子を入れる小箱のことです。これもフランス語です。ヨーロッパでは、子供の誕生祝いや結婚式などで、幸福を表すものとしてよく使われます。

日本の皇室でも、そんなヨーロッパの伝統を取り入れ、明治以降ボンボニエールが引き出物としても使われるようになりました。最初に使われたのは明治27年の明治天皇大婚25年の饗宴の際だとされています。以降皇室では、即位、立太子、子の誕生、着袴、成年式、結婚式などの御慶事の際には意匠を凝らしたものが制作されています。

今回の紀宮さまと黒田慶樹さんの披露宴の招待者に渡されたボンボニエールは磁器製。側面には紀宮さまのお印「未草(ひつじぐさ)」、蓋には黒田家の家紋にちなんだ「柏」が金と銀であしらってあります。

ひつじぐさとはあまり馴染みのない花のように思えますが、これはスイレンの仲間。スイレンは朝早くに咲きますが、ひつじぐさは未の刻(午後二時頃)に開花するのでこの名前がついたそうです。紀宮さまと黒田慶樹さんの幸せにあやかって、ここしばらくは結婚式の引き出物にはボンボニエールが多く使われることでしょう。

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著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。