カテゴリ"生活の中のマナー"の記事

訪問先の玄関で靴を脱ぎます。その場合の作法は?

玄関から框(かまち)に上がるときは正面を向いて靴を脱ぎ、そのあと、靴を玄関の戸つまり外に向かってつま先を向けで置きなおします。これを出船にそろえる、といいます。面倒だからといって後ろ向きに脱がないようにしましょう。でもこれは意外と知られていることですね。

では、脱いだ靴を靴箱に入れるときはどうでしょう。学校など集合下駄箱に入れるときは靴のかかとに名前を書く都合があったりする場合は、かかとを手前に入れることが多いでしょう。

しかし、これは「出船マナー」的には間違いです。

靴箱に入れるときは、つま先を手前にして入れます。これは、靴箱の奥が中、手前が外に当たるので、つま先を手前にすることが「出船」になるからです。靴はかかとよりもつま先に特徴がありますから、つま先を手前にするほうが自分の靴がどれなのかわかりやすいというメリットもあります。

同様に、脱いだ靴を壁に寄せる場合も、壁側にかかとがくるように、つまり壁を背にして靴をおきます。これが出船になります。見た目にもこちらのほうが美しいでしょう。

【関連記事】
[336]玄関の履物は出船に揃える

[336]玄関の履物は出船に揃える

| 関連記事(1)

玄関で靴を脱ぎます。そのときには家人に背を向けないように、前を向いて脱ぎます。これを「入船」といいます。その後、靴の向きを玄関の外に向けなおして置きます。これを「出船」といいます。

つまり、靴は入船で脱ぎ、出船に揃えるのがマナーです。

これはどういうところから来ているかというと、戦国時代の茶室の作法(茶道)に由来しています。

茶室というのは別世界の意味があり、部屋自体も小さいですが、その入口は幅・高さとも60cmくらいという小ささ。これを「躙口(にじりぐち)」といいます。「にじる」とは「にじり寄る」と使うように、両拳(こぶし)をついて膝で進むような動き方のこと。時代劇でよく見かけます。

なぜこんな入りにくい小さい入口かというと、

・外界の穢れを落とす
・地位・身分の高い人も頭を下げさせる
・武士は刀を差したままでは入りにくい

という目的があります。

こんなに小さい入口なので、いざというとときすぐ出られるように、履物は出船でそろえるようになったのです。

次回は靴箱の場合は?です

【関連記事】
[067]床の間
[072]京の茶漬け
[324]逆さ箒(さかさほうき)

[330]天寿を全うする

| 関連記事(0)

よく「天寿を全うする」といいますね。去る4月30日にも上野動物園のリンリンが亡くなった際にも「天寿を全うした」と評されました。ちなみにリンリンは1985年9月5日に北京動物園で生まれたオスのジャイアントパンダ。22歳7か月の命でした。パンダとしては十分長生きしたでしょう。ということで天寿を全うしたということができます。

天寿とは「天から授けられた寿命」とあります。先日のテレビのクイズ番組では天寿=250歳とありました。ものの本によると182歳ともあります。しかしこれらの数字はどうも根拠がありません。現実的にお祝いをするとなれば三回目の還暦180歳とするのが正しいと思います。しかしこの数字も現実的ではありません。

陰陽五行論の十干十二支の考えでは120年がひとつの区切りとなります。人生120年生きれば、人間誰しも平等に運命が一巡するという考えた方です。五行の論でいえば区切りとして120年、180年、そして240歳が天寿といえるかもしれません。

ちなみに数えで99歳以上のお祝いは
99歳が「白寿」
100歳は「百賀」
101歳は「百一賀」
108歳は「茶寿」
111歳は「皇寿または川寿」
119歳は「頑寿」
120歳は「昔寿」

2008年の日本の男性の平均寿命は79歳で世界一。日本の女性の平均寿命は女性86歳でこれも世界一。平均寿命とは0歳の新生児の場合の平均余命をいいます。つまり今年生まれた男の子は79歳まで生き、女の子は86歳まで生きるという意味です。

一方で平均寿命が最短なのはジンバブエの36歳。なぜか?それは国民の3割以上がエイズに感染しているからです。


小品盆栽:長寿梅【現】


【関連記事】
常識ぽてち[1104]享年
常識ぽてち[397]長寿のお祝い

[326]いつもと違う切手で手紙を出す

| 関連記事(0)

どうも携帯電話とメールが普及してから、人との関係がかえって粗雑になったように思えます。連絡がすぐ取れるのはいいのだけれど、些細なことで人間関係が崩れる。

私は普段はメールをメインに仕事をしていますが、肝心なところでは電話で確認。必要な書類などPDFを添付するのではなく郵便で出すようにしています。こういった昔ながらのコミュニケーションがなんだかホッとする今日この頃。郵政事業は民営化しましたが、郵便局の社員は昔ながらの仕事ぶり。日付スタンプをぽんぽんと押すスタイルは何故か心和みます。

ところで、私らが子供の頃(昭和30年代)は切手収集というのが流行っていました。特に浮世絵切手が人気で「見返り美人」や「月に雁」は値段も張っていて、当時の子供には手が出ない代物でした。

そんな世相を反映して、記念切手の発売日には郵便局には行列ができていたものです。しかし次第に発行される枚数が多くなり、買っても価格が上がらなくなると次第に切手収集の人気もなくなってきてしまいました。

昔は未使用の切手が人気で、使用済みのものはごみ同然でしたが、今は未使用切手でも額面以上の価値が出ません。そんな記念切手をむしろ普通の手紙に積極的に使ってみてはいかがでしょうか。

今年になって発売された切手は「霊峰冨士と四季の植物(1/23発売)」。大型の80円切手で使うのがもったいないくらいきれいな切手です。これを貼って出せば、先方の人はまずその封筒の表紙に目を奪われることでしょう。

2月には「まんが日本昔話シリーズ第7弾(2/22発売)」が発売されました。お子様のいる家庭へ出す手紙にふさわしいデザインです。3月21日には「日本天文学会創立100周年記念」切手が発売予定です。太陽系の惑星や人工衛星などをデザインした切手で、男の子の居る家庭へ向けた手紙に向いています。

日本郵便ではこのような特殊切手・ふるさと切手などをほぼ月二回のペースで発行していますので、ぜひ利用したいものです。先方を大事にするあなたの気持ちが伝わること請合います。

   ?いつもと違う切手でいつもよりうれしい気持ちを贈る?

本来切手は使うものであって、使わずにとっておくものではありません。本来の目的のために大いに使ってあげようではありませんか。

新着切手情報一覧(郵便事業株式会社)

【関連記事】
こういう仕草は女らしい[26]手紙
御侍史(おんじし)「常識ぽてち」

[324]逆さ箒(さかさほうき)

| 関連記事(2)

去年、日経プラスワンの特集で「迷惑な訪問客」というランキング記事がありました。その中で「長居をする客」というのが上位にありました。長居客とは家人の迷惑も考えずに長く居座る客のことです。長居客が嫌われるのは、今も昔も変わらないようです。

日本には長居する客に早く帰って欲しいときにする伝統的なおまじないがあります。箒を逆さに立て、手ぬぐいをかけて客がいる襖の向こう側で立つ「逆さ箒」です。サザエさんなど昭和を象徴する漫画によく出てきます。今は箒が無い家も多くなりましたので、こういった光景もあまり見なくなりました。

なぜ、箒を逆さにして手ぬぐいをかけるのか?

それは、箒は掃き出す道具であり、いやな客を追い出すという意味もありますが、箒を持ち出すことで掃除中であるということをアピールし、早く帰ってくださいね、という気持ちを現われだと思います。また、神主さんが御幣を振るしぐさに似ているため、悪霊を追い払うしぐさという説もあります。

同じ掃除用具に「ハタキ」がありますが、これも本屋で立ち読みしている客に早く帰ってもらいためにわざと近くでパタパタやる漫画がありますが、これも同様の考えと思います。

逆さ箒がなぜ「箒にハタキ」ではなく「箒に手ぬぐい」かというと、手ぬぐいも掃除用具として活躍していました。ハタキだと埃が舞いますが、てぬぐいだと埃が舞わず、調子がいいのです。

ちなみに、タイでも出入り口に箒を逆さに立てかけておくという習慣があるそうですが、これはあなたが長居をするいやな客という意味ではありません。しかしいやな客の場合は、客が帰った跡にその箒でバシバシ掃き清めるとか。さしずめ日本では、いやな客が帰ったあとに塩を撒くのに似ています。

相手の自宅に訪問するときには、相手の家人のことも思いやる必要があります。訪問は2時間を限度に切り上げ、早々においとましましょう。自分がいやな客になっていないかどうか、襖の向こうを覗いて確認する必要があるかもしれません!?

ちなみに迷惑な訪問客ワースト10はこちら

1 約束の時間に大遅刻  1036票
2 長時間、居座る  889票
3 約束をしていないのに突然来る  854票
4 断りなく家の中を「探検」する  590票
5 予定外の友人・知人を連れて来る  442票
6 子どもの不始末を親が注意しない  414票
7 トイレの使い方が汚い  369票
8 断りなく室内でたばこを吸う  346票
9 夜遅くまで大声で話す  321票
10 子どもがソファでジャンプする  308票

(出典:日経プラスワン・2007年12月)

【関連記事】
[072]京の茶漬け

たまごや内を検索する

Google
Web デジタルたまごや

このサイトを購読する

メルマガで購読する

 

 

powered by まぐまぐトップページへ

ご訪問感謝!

創刊:1999.12.15


人気ブログランキング - 週刊マナー美人

カテゴリ

アーカイブ

全 259 件-タイトル表示

著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。