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[14]ブライダルフェアー

第14回

ブライダルフェアー

さわやかなこの秋、朝日を浴びながらの毎日、一時間のウオーキングを始めた私です。式場司会者としてとても忙しい季節がやってきました。この時期には各会場でブライダルフェアーが企画されます。仕事をいただく会場に協力する為に、婚礼に関わる業者さんも大サービスです。

これは極秘ですが(笑)ノーギャラで模擬人前式の司会をしたり衣装屋さん、美容師さん、花屋さんもがんばります。カップルがその会場を気に入り披露宴をすることを決めていただくためにいつもより特別の笑顔でアピールします。

現在わが事務所では、企画から参加して一つのイベントを創っています。その中で、どんなサービスが喜んでいただけるかということで次の事が決まり、只今準備中です。

  1. 会場のランチ付きはがきを作成して配る。
  2. 模擬ではなく実際の人前式と衣装、ヘアー・メイクのプレゼント。そのカップルにはオリジナルの生ケーキでケーキ入刀のシーンもついでにプレゼント。オリジナルの誓いの言葉入り豪華誓約書プレゼント。
  3. 参加者を披露宴の列席者に見立て食事の後、ウェデイングケーキをデザートとして食べていただき、なんと当たりのケーキの中にはドラジェが入っていて、その当たりの方にはプレゼントがあるのです。
  4. 尚、わが事務所のウエデイングプロデューサーが無料でアドバイス。
  5. ベテラン司会者(私の事ですが。笑)が質問に答えます。
  6. これはまだ発表してない企画ですが、こんな葉書を手に入れたいと思いませんか。このようにフェアーに参加すると何か収穫があります。本気で会場を探しているカップルであればデートのついでに楽しく利用していいと思います。ただし、ムードに流されることなく、厳しい目でチェックしてください。お料理、会場のイメージ、音響、従業員の態度などですね。

実は私がまだ司会者の駆け出しの頃、披露宴についての勉強の為、フェアーに潜入したことがあります。まだ、30代半ばの事でした。どの会場も名前、住所、目的等をアンケートに書くようになっています。目的は東京の娘が北海道の青年と結婚するので駅周辺のホテルを探していると言う事で、母の設定であったのに、会場の係りの若い女性がブーケトスのシーンになると私の背中を押して「どうぞ参加してください」というのです。

あれあれと思っている間に、ブーケが三人子持ちの私の手に。恥ずかしかったのですが、今思えば笑い話です。どうぞ、うまくブライダルフェアーを利用してお二人にぴったりの会場を選んでくださいね。この秋、どんな新しい企画が発表されるのか、私もまたブライダルフェアーに潜入してみようと思っています。今はもう誰も私を新婦と間違えることはないと思います。笑。

来年のスケジュール帳を買い、来年の婚礼予定を書き入れましたよ。そうです。ベテラン売れっ子司会者のご予約はお早めにどうぞ。

2005.10.23

[02]要注意人物

第2回

要注意人物

地方の婚礼では、300人程の列席者があり、歌や出し物でとてもにぎやかです。そんな婚礼司会の担当を私は、長年務めている。もちろん、決まりきったナレーションでは務まらない。何が起きても臨機応変にアドリブでフォローは当たり前。

最近は地方でもオリジナル婚が増えてきました。それでも、事前に打ち合わせに行くこともなく、FAXで資料をいただく。当日、片道車で2時間の会場へ到着。挙式が終わった頃、披露宴の始まる30分前に初めて、新郎新婦とご対面。

できるだけ安心していただくために、質問攻めにしたり、詳しくは聞きません。10分程度で、名前、肩書き、進行、祝電に関してのみ、手早く確認。その会話の中で、お二人の人となりや、家族構成、なれそめなどをつかんでいる。あとはゆっくり楽しんでくださいねと頼もしさをアピールするのです。

そんな会場の担当者から、今度の披露宴は新婦のお母さんと、あの議員さんは要注意人物だから気をつけてくださいと電話があった。少し、いやな気分だが、そこは、プロ。逆にそんな人を喜ばせてかえしてやろうと、ファイトが沸いてきた。

案の定、当日、控え室前の廊下で担当者と新婦の母がもめていた。なんと衣装が和装洋装4点の他に、留袖を作ったので持ってきたというのです。

列席者に対してお色直しばかりでお待たせするのは悪いし、全体的に時間配分も変わってきます。困った顔をした私にそんなに困るならいいよ。と逆切れ。

司会者ができないと言っていると。会場中ふれまわり、ぷんぷん怒った顔。私はすぐに美容師とお色直しにかかる時間を相談。プログラムのどこで出入りをするか、そして音楽を決めた。できるだけ、余興を新婦の退席中にも盛り上げ、走り回った。お母さんに声をかけながら、余興の内容で勝負した。

要注意の議員にも声をかけてみた。なんども私の婚礼に参加した事があるらしく、ご機嫌で歌を歌った。

そんな要注意人物とすべての人が、ご機嫌で帰っていただくことは、司会者として、当たり前の仕事なのです。

私も結構、筋の通らないことが嫌いで、さまざまな人間を見て、悔しい思いをすることがあるが、プロは何があろうと、お金をいただいている以上責任を果たさなければいけないのです。

また、どんなに娘の婚礼で気が張っていても、会場側から要注意人物といわれないようにするのもマナーかもしれません。

2005.02.28