2006年1月アーカイブ

[201]旅のヒント(2)

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私もお気に入りのブランドがあるからブランド好きを貶す訳じゃないけど、商品に相応しいエレガンスも身につけようよ、と声を掛けたい。シャンゼリゼにある某有名ブランドの本店へ大型スーツケースを引きずりながら他の買い物客を押し分けて入店するOL風日本人を見る事数回。帰国便に乗船する前のラストショッピングなんでしょう。でもシャンゼリゼは空港内の免税店ではありません。世界中のエレガンスが集中する場所。やっぱりこのような大きな荷物はどこかに預けてから、バッグのみのスマートな姿で入店してもらいたい。フランスのTV局はどこから撮影しているのか、このような格好の悪いところだけ私たちのイメージで流す。

たまーに出かけるミッシュランの星付きレストランで見かける事。ドレスコードはさすがに皆さん守ってらっしゃる。でもこの手の店は、食前酒、後に食後酒とフルコースで楽しむものであって、パッパッと食べて、はい、さよならという店ではありません。食事の時間に2,3時間かかり、量も普通の食事の3回分くらいあるのでその前後の食事をうーんと控えて体調を整えないと食事中にダウンと言う事もあり。またこの手の店でチップにコインじゃらじゃらはちょっと恥ずかしい。従業員の雰囲気作りやきめ細かいサービスは対価を付け難い努力だから、食事をする人数に合わせて10ユーロ札を数枚さらりと置くのがやっぱり綺麗かな。

これは星付きだけじゃないけれど、ある程度クラスのある町中のレストラン、ホテルのレストランでのお食事ではミネラルウォーターを注文するのがスマート。カラフ入り水道水がマナー違反でなくとも、クラスのイメージを大事にするフランスではTPOを重視し、それに寄ってサービスにも差があります。ある意味では「客を客と思っとらんのか、おんどりゃは!」と言いたくなる程の冷たさが。またこの手のレストランでは、飲めなくてもグラス1杯くらいのワインを注文するのがお洒落。それは乾杯用でもあり一種の飾りでもあります。無駄な料金と思わず、その位に予算と気持ちに余裕を持ってお出かけ下さい。

ホテルのバーとかカジュアルなレストランでデートをしていて(私をデートに誘う勇気ある男性もこの世に存在)王子様と野獣が交差する瞬間、お釣りの小銭をチップとして残さず全部拾う時。気が利く人なら更に上乗せしてか、小銭をお札に替えて置かれる方もいて大変スマート。大人の世界を感じます。

夢路とみこ

[200]旅のヒント(1)

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長期でしかも貧乏旅行となると必要なのはコインランドリー。私もいつもお世話になってます。町に着いたら観光局に立ち寄って地図を貰うのは当然だけどランドリー、郵便局、コイントイレ、夜間や日曜日も営業中のスーパーの場所確認もしておくと便利です。ランドリーに行く前に用意すべきは1ユーロと50セントコイン。両替機はあっても壊れてる事が多いので事前に郵便局にある自動両替器を利用しておくと良し。

洗い方ボタンを選択するとき、白物ならBlanche、色物ならCouleur、2回洗いならSynthetique、ウールならLaineを選ぼう。洗剤を入れる口が3つに分かれていたら一番小さい口が柔軟材を入れるところです。洗濯中に場所を離れるのは危険。洗い終わったものを勝手に退かして自分の物を入れるなんて事は良くある事、盗みも多し、でも図々しい人は洗濯中に自分の洗濯物も入れて洗うなんて破廉恥なことをする人もいます。この手は大学の寮の洗濯機に多いとか聞きます。

日本の洗濯機は渦巻き式で上から物を入れるから蓋が簡単に開くけれど、こちらはドラム式で横から物を入れるので表のドアを開ける事になります。このドア、引いて開くタイプとボタンを押して開くタイプとあるので分からない場合は他人のやる事を真似しよう。物を入れてドアを閉めてからコインを入れます。先にコインを入れると勝手に水が出て大変なことになるので要注意。また日本のランドリーと違いここにはスニーカーを洗う洗濯機がないからと言って、スニーカーを普通の洗濯機で洗うのは厳禁です。これはマナー違反も良いところ。また、ホテルの洗面所でじゃぶじゃぶと洋服を洗うのもマナー違反。特に水不足問題が尽きないこの国ではホテルにも「節水のご協力を」と呼びかけていますので、ランドリーへと。

両替機でコインを獲得したらキープしたいのはランドリーで必要な1ユーロ、50セント以外は20セントコイン。これはよくコイントイレで必要です。都会なら駅でもお釣りをくれるオバちゃんの有人トイレがあるけれど、地方はだいたい無人だから頼みの綱はコインのみ、でもお釣りは出ないし、きっちりと必要コインを入れないとトイレのドアは開きません。旅の終わり、コインが残ったら成田空港到着ゲートにUNICEFの募金箱があるのでそこに入れてあげて下さい。貴方が無事に帰国できた事を感謝し、また旅に出れるようにと祈りを込めて。

夢路とみこ

[199]「パリ症候群」への不安

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この兆候については日本でも様々な形で訴えられているし、その例も何度か「パリ日本人会」の心の健康相談に寄稿されている精神科医師、太田先生のコラムを読んでいるのでいつも気にかけているテーマ。既に4国での長期滞在経験があるのと、周囲が「とみこなら気丈だから絶対にこんな病気にはならないわよ」との言葉をいつも鵜呑みにしているけど、やっぱり私にもこの病気になる潜在的意識は絶対にあるはず。

最近この太田先生の著書「パリ症候群」を読んでみて益々自分にもやはりその可能性があると確信、不安になる。その理由は、私がテキサス留学時代に「アメリカ症候群」で軽いうつ病になり一時帰国した経験があるから。その時の状況は本通信の第110号でも紹介しましたが。では、それを経験して完治したかというとそうでもない。免疫はついたもののやはり想像と現実のギャップには今でも悩まされる、特に滞在期間が長くなれば成る程に。長く住んでいるから現地のやり方、あり方には慣れてきたし、打算的に黙認するすべも覚えてきた。しかし、その分、「もう私は日本では通用しないのではないか」という不安が襲ってくる。

一般的に「パリ症候群」について、巷では「パリ好き」か「フランスに幻想を抱いて渡航して来た人」に限定されているかのごとく言われているが、太田先生が紹介する凡例を読むとその幅は広く、「海外生活に憧れる」「海外で成功したい」という気持ちのある人なら、世界中に散在する私達の同輩がこの症候群に陥る予備軍であることが分かる。

私は船が好きで帰国を辞めてパリに移ってきた、もうその時点から「パリ症候群」が始まっているのかもしれない。ここに移ったからといって仕事が潤滑に進んでいるかというとそうでもない。都会だから営業活動の場が増えて良かったとは思う反面、厳しい契約条件に押し潰されそうになる事もある。そんな時はディジョンの時と一緒で、船が見えるところへ行き、大声でかっとばして、ちょっと泣いて、頑張るぞ!と言って帰宅。太田先生は、一見しっかりしてそうな人、キャリア志向の人にもその可能性がある事を示唆している。熱心、真面目さ故にもろいと。それが短期観光旅行だとしても、日本を離れる前にこの本を一読することを勧めたい。海外に目を向ける私達全てにその潜在意識があるからだ。

夢路とみこ

[198]北ブルゴーの休日(3)

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その村、サン・ファルジョーを最初に知ったきっかけは大島順子さん著の「フランス田舎めぐり」というエッセイ本を読んでから。この村にはサン・ファルジョー城があり夏になると城内で野外劇があるという。確かにこの事はテレビでもちらりと見た。どうやら村興し目的でボランティアの村民が7,8月の週末、この野外劇のためににわか劇団を立ち上げ素人俳優が勢ぞろいするらしい。なんだか面白そう。

サン・ファルジョーもこれまた交通の便が悪い場所にある。観光地として活気付けたい気持ちは分かるけど、車なしに北ブルゴーニュを観光するのは一苦労。でも幸いな事にパリ13区メトロ:Place d'Italieからこの村に行くバスがある事を知り、乗ってみる。片道2時間は掛かり、バス代20ユーロもするけれど、電車では行けないような小さな村と北ブルゴーニュらしい麦畑や田園地帯を走るから、やっぱり利用する価値ありかな。

私がここを訪れたのはオフシーズン。村は活気もなく、さっぱりしすぎかな、覇気も、活力の息吹さえも感じさせない。ただ静かに時が流れるだけ。都会の雑踏に疲れて静かにのんびりとしたいのなら来る意味がある。お洒落なカフェはないけれど、平凡な人たちの平凡な時間に自分を置く事で疲れが癒されるような気がする。

城のすぐ後ろにマダム・ダニーの経営する民宿がある。現在独身のマダムはかつて船上生活者だったらしい。ご主人が運転する石油タンカーでフランス各地をクルーズしていたとか、私とは船の話で盛り上がった。彼女の民宿はこの田舎町には似合わない「ロマンチック」で「お忍びカップルの週末旅行」にぴったりな色気と優美さがある。それぞれの客室もコロニアル風、エレガンス風、アジア風とマダムのお洒落な趣味が感じられます。マダムとおしゃべりしながら夕食のテーブルを囲み、テーブルセッティングの美しさを学ぶ。お手製のマットや紙ナプキンをお洒落な柄にするだけでこんなに素敵な演出が出来るものか、と感心。フランス人の間でも人気が高まるシャンブル・ドット宿泊、早く日本からの観光客にもそれを十分に味わってもらいたいものです。

マダム・ダニーの民宿サイト:http://iletaitunefoisjardin.free.fr/
日本語での問い合わせ先:BurgundyChary@aol.com

夢路とみこ

【関連記事】
[196]北ブルゴーの休日(1)

[197]北ブルゴーの休日(2)

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北ブルゴーニュのノワイエ−ル・シュル・スランは『フランスで最も美しい村のひとつ』協会が指定する村の一つ。この村は交通の便が悪く、一番最寄り駅となるオーセールからでもタクシー利用だと30キロ以上ある。しかし観光局サイトを見ると、パリ−ノワイエール間にバスがあるではないか。早速と問い合わせて見たら13区メトロ:Place d'Italieにあるカフェフランスの前から毎日バスが出ているとの事。

この村は確かに「美しい村」であって「観光地として見応え豊富」という村ではありません。村の入り口に、もう使われなくなって久しいだろう公共洗濯場が昔の賑やかさを思わせる。村はかつて城壁内にあったらしく入り口と出口に物々しい門がある。城壁内はきっとフリューゲルの絵画のごとく村人がてんやわんやの賑やか生活をしていた様子がくっきりと浮かぶ、そんな感じがした。村を一周しても多分、数時間で終わってしまうだろう、それにこれと言った名所らしきものはなく、廃墟となった城跡沿いに城壁を歩くのがこの村の観光。

しかし、そんな村だからこそその歴史の中にたまらない魅力があるのかもしれない。観光局主催のガイドツアーに参加してみよう。仏語が分からないとちょっと苦しいけど、一緒に歩いて村の散策をするだけでも楽しい。ガイドが案内する村の珍しい建物、昔ながらの家屋、解説が分からなくても立ち止まる場所にいるだけで何かこの村の歴史が分かって来たような気がする。この村の楽しみ方は線を引くように綴れ歩きをしながら散策する事にあると思う。そして夜この村をガス灯の柔らかさに近い電灯でライトアップしているが、そのはかなげな灯りに物悲しい味を覚えた。

でも、食いしん坊の私にとってこの村の最大の魅力は、レストランAuberge du Sereinで食べたPotage a lachataigne (栗のポタージュ) 焼き栗でおなじみの栗がポタージュになった。あまりの美味しさにパンで皿を綺麗に平らげた上、おかわりまで注文してしまった。

ノワイエ−ル・シュル・スラン観光局
『フランスで最も美しい村のひとつ』協会サイト
お勧めの本 フランスの「美しい村」を訪ねて 辻 啓一著 ISBN4-04-704-178-5  
フランスの「美しい村」を訪ねて

夢路とみこ

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[196]北ブルゴーの休日(1)

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