[329]ジャンポールエヴァンの店(2)

前号の続きで、そのロジックからするとこの店の料理がおいしい事は頷ける。そしてパティシエのお店だから見かけにもこだわっていることは出来上がったお皿をみれば一目瞭然。

カフェ飯が美味しい店の条件のひとつにクロックムッシュー、オムレツ、そしてフレンチオニオンスープの出来があります。これらの料理はシンプルだけど料理人の基本だから、特にスープはスープストックを取るのに時間とお金がかかるけど、でもスープだからたいした料金は取れないということもあり、今ではもう大抵のお店が出来合いのスープをチンするだけです。だからスープをきちんとお店のキッチンで作る店はあまりなく、あるとしたらすごいこと。

またクロックムッシューも大抵のカフェが工場生産で食パンにスライスチーズとハムを挟んでオーブントースターで焼いてい程度、ベシャメルソースがはいっていたら上出来よ!あれだったら私だって作れるわ。

そこら辺の住宅街のおやじカフェで出しているクロック・ムッシュー(お約束のスーパー特売品みたいなもの)が5~7ユーロ、観光地カフェだとこれにレタスが数枚横に盛られていてはやり7~9ユーロ。では、このジャンポール・エヴァンの店では9.60ユーロであるとしたら、この店が有名店であり、場所がサントノレ通りにある事だけで払えるかしら?

それはご心配に及ばず。ここのクロックムッシュは9.60ユーロに値する、いやそれ以上の美味しさだから。この店のそれは耳のないサンドイッチ用のパンを使っていて、中味はハムではなく、チキンのフィレ、とろけたチーズにはエストラゴン(というハーブ)をふんだんにまぶしてありました。見かけも味も申し分がない。

エストラゴンは(英語ではタラゴン)というハーブで香りが強すぎて私はあまり好きではありません。でも、フランスにはこれを使ったドレッシングなどあるし、チキンに合うハーブと料理本には書いてあるけれど、これまでエストラゴンを使った料理で美味しいと思ったものはまずなかったのです。

だから私の頭の中では、エストラゴン=まずい=食べきれない、だったのですが、この店のクロックムッシュを食べて初めてエストラゴンが美味しいと感じました。やっぱり料理は腕だわ。腕のある人が作ると美味しい。腕のない私が作るといつまでたってもエストラゴンは私のキッチンで能力を発揮できない、9.60ユーロですっかりエストラゴンを見直してしまいました。


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夢路とみこ

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創刊2002.01.05


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