[1258]調査捕鯨

2013年5月10日

日本は南極海と北大西洋で捕鯨活動を行っています。名目は「絶滅に瀕しているかどうか?」。これは科学的な調査ということで「調査捕鯨」と呼んでいます。クジラの捕獲は国際的な取り決め「国際捕鯨取締条約第8条」の規定により、(財)日本鯨類研究所が日本政府の特別許可を受けて実施しています。

したがって調査捕鯨は国際的なルールにも適っており、国際法でも日本の法律でも問題はありません。しかしこの調査捕鯨、シーシェパードの妨害を受けるなどニュースを騒がせていますが、これはどうしたことなのでしょうか?

日本の調査捕鯨は科学的な根拠に基づいています。ここで「日本はクジラを食べる食文化がある」と言ってはいけません。文化的見地ではなく科学的見地に基づいた調査捕鯨なのです。ここが大事。

しかし、実態は商業的な捕鯨ではないかと非難されています。

まず、非難される理由の一つに捕鯨数があげられます。現在の捕獲量はミンククジラ約850頭、ザトウクジラ約50頭、ナガスクジラ約50頭です。こんなにたくさんの捕獲が必要なのかどうか?

また、調査するのに捕殺しています。これを生きたまま調査はできないのか?という疑問があります。これについて日本鯨類研究会は内蔵の奥まで調べるには殺さないといけない、としています。

さらに、調査のため捕獲したクジラは、完全に利用することが条約で定められているので、これを日本まで持ち帰り、鯨肉として市場に流通させ、その収益を次回の調査経費の一部に充当しているとのこと。

ミンククジラの年間捕獲量が850頭というのは驚きですが、こんなに捕獲してもまだたくさん居るので「絶滅の危険は無い」と調査コメントしてことも違和感があるのでしょう。

こういった実情を踏まえると、オーストラリアをはじめ各国が賛成していないのも無理はないと思えます。そしてシーシェパードが過激な攻撃をしてくるのも無理は無いといえそうです。

ちなみに現在では商業捕鯨は禁じられていますので、昔からおなじみの鯨の大和煮缶をはじめ、レストランで提供される鯨肉はこの調査捕鯨で得られた鯨肉ということになります。