[1262]ボリビアという国

2013年5月10日

世界地図を見てみると、海に接していない国が多々あります。交易上も国防上も国にとって海に接していることは大変重要です。海を持たない国の多くは侵略に対して沿岸部を守ることができなかった悲しい歴史があるのが常です。

周りが陸の国境に囲まれ、海がない国のことを内陸国(Landlocked country)といいます。世界には43の内陸国があります。

南アメリカに位置するボリビア共和国もその一つ。当初ボリビアは海岸線を持つ国でしたが、南米太平洋戦争(1879年-1884年)によって敗戦、海岸線の土地はチリに奪われることになったのです。

しかし天はボリビアを見放しませんでした。海は無くとも、大きな湖チチカカ湖、美しいアンデスの山々、そして膨大な埋蔵量を誇る鉱脈がボリビアの資産です。

最近では電池の生産に欠かせないリチウムが世界の埋蔵量の50%がボリビアいあるとされ、日本の商社も狙いをつけているようです。リチウムという金属は元々海水に含まれている元素ですが、ボリビアにある「ウユニ塩湖」の塩水には高濃度のリチウムが含まれていることが判明したのです。

しかしリチウムはその抽出が難しく、ボリビアではその技術も資本も持ち合わせていないのが実情。ボリビア政府は公社開発事業としてリチウム回収生産プラントの建設を計画しており、世界各国から資本・技術協力を呼びかけている事情があります。日本も名乗りを上げていますが、現地の宝を根こそぎ奪い取るような露骨な資本主義はご勘弁いただきたいと思います。

◆ボリビアのデータ

正式国名:ボリビア共和国
事実上の首都:ラパス
独立年月日:1825年8月6日
総人口: 830万人(2001年推定)
国土:日本の国土の約3倍
民族:先住民(ケチュア族、アイマラ族)55%
公用語: スペイン語、ケチュア語、アイマラ語
宗教:カトリック

《有名どころと観光》

チチカカ湖
・海抜約3,800mという富士山より高い場所にある淡水湖。面積約8,700km2(琵琶湖の約12倍)

・標高6000mを越す寒冷なアンデス山脈。首都ラパスでさえ標高3600m強。空気が薄いため各国のマラソン選手がよくトレーニングに訪れる。

・アンデスの動物といえばアルパカとリャマ。同じラクダの仲間で似ている動物ですが高級な毛織となるのはアルパカのほう。リャマはやや質が劣る。

・ボリビア東部はアマゾンの源流に近く、アマゾン観光の入口となっています。

・ボリビアの世界遺産
ポトシ市街、チキトスのイエズス会伝道所群、古都スクレ、サマイパタの砦、ティワナク、ノエル・ケンプ・メルカード国立公園。