[328]桜切る馬鹿

今日天気がいいので1万歩くらい歩いてみようと言うことで、銀行まわりなどを歩いてすることにしました。ふと見ると、桜の枝の先が膨らんでいます。まだ20世紀ですが、このつぼみが開くのは21世紀の春なんですね。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺があります。これは桜は切るとそこから腐って枯れるから切らない方がいいよ、という教えです。また、梅は切らないと枝が伸びすぎて樹形が乱れ花が咲かなくなると言う教えです。梅は実もとるので、花が咲かないと困りますね。

ところが桜の木は絶対に切ってはいけないのか?というとそんなことはないんですね。こういう諺があるので絶対切ってはいけないと信じている方が多いようです。しかしそんなことはなく、桜の性質に添って剪定すればかえって生き生きとするのです。この諺はそれぞれの樹にあった手入れをしなさいという格言みたいなものなんですね。ちなみに花見で有名な「そめいよしの」は接木で増えています。切ってはいけないのなら接木できませんよね。

桜の木は年数を重ねると樹形が大きく枝が張ってくるので、状況に応じて枝おろしをします。切り口は根元を残さないように深くえぐるように切り取り、切り口には癒合剤を塗っておきます。遠慮して切り口を残すような切り方はかえってそこから腐敗を招くようです。

さて、梅はどうするのかと言うと、梅の場合はどんどん切って構いません。丈夫ですから。ところが梅は夏の終わりには花芽ができあがっているので、今時(秋冬)に剪定しますと折角の花芽を落としてしまうことになります。梅の選定は実を取ったあとすぐに行い、秋冬はほっときます。すると早春に可憐な花をつけてくれるのです。

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