[274]二酸化炭素のしまい場所

天然ガスや原油は、地底湖や水脈のように溜まっているわけではなく、軽石のような細かい層にスポンジに含まれる水のように存在しています。この層は元々あるわけではなく、地殻変動によって化石層が粉々に破壊させることによってできます。

このスポンジ状の層は、その上下を化石層(キャップロック)で蓋をされていますから、その層から漏れ出すことも無く、ガスや原油は安定して保存されています。油田やガス田は、この層が地表近くにきているところを狙って、キャップロック層に穴をあけ、そこからガスや原油をくみ出しているわけです。

さて、ガスや原油が汲みだされたあとは、スカスカの軽石層になっているわけですが、ここに二酸化炭素を圧縮して送り込み、封じ込めることによって地球温暖化を防止しようとする計画があります。

地下800m以下になると、二酸化炭素はその圧力の為「超臨界流体」という液体とも気体ともいえない状態になります。したがって、このスポンジ層にうまく収まり格好の保存場所となるわけです。

地下深くなると微生物も少なくなり、二酸化炭素を保存しても生態系には影響がないとされ、また、ガスや原油のくみ出しには圧縮空気を送り出してその圧力を利用していることもあるので、これに二酸化炭素を使えば一石二鳥というわけです。この計画はすでにノルウェイで稼動しています。

【関連記事】
[1037]地球温暖化の善悪
[1173]メタンハイドレート