[264]シイの実

菜の花やツクシなど春の味覚というのはどれもアクが強く、そのままでは食べられないものが多いですね。しかしそのアクの強さがおいしさの素になっているとはいえますが。

その点秋の味覚は楽しいです。クサボケやヤマモモ、ヤマブドウ。グミやアケビ、木いちごなど枝からもいで、汚れをサっととってがぶりといただく。自然は鳥や小動物に料理の手間を与えなくてもおいしく食べられるように気配りしているのでしょうか。

朝の散歩道にまだ青いドングリの実が目に付くようになってきました。まもなく道一杯に絨緞のように敷き詰められることでしょう。誰でも子供の頃にドングリを拾った経験があると思いますが、何故かドングリは食べられないと教え込まれていました。しかし生でも食べられるドングリがあります。それはシイの実。正しくはブナ科のスダジイという木になる実で、これは生でも炒ってもおいしくいただけます。

子供の頃はワイルドでしたから、この生でも食べられるというところが気に入っていました。しかし、シイの実はなかなか見つからず、落ちてもすぐに拾われてしまって、この時期は近所の子供たちと冷たい戦争状態になります。

近所に雑木林に恵まれている人は天気のよい日に散策してみましょう。思わぬ天然のおやつにありつけるかもしれませんよ。