[249]お彼岸(おひがん)

ここんとこ、急に涼しいですね。連日の猛暑がウソのようです。暑さ寒さも彼岸まで、といいますが、そういえばもうすぐお彼岸です。

お彼岸は、3月の春分の日と9月の秋分の日を中心に各7日間行われる仏教行事です。といっても仏教国すべてにあるわけではなく日本独自の行事です。お彼岸は農業に深く関係しており、四季に恵また農耕民族である日本人の文化といえるものです。春分の日と秋分の日は「国民の祝日に関する法律」で「先祖をうやまい、亡き人をしのぶ日」とされていますので、その趣旨どおり、この日はお墓参りや先祖供養をするのが正しい過ごし方です。

彼岸とは向こう側の岸辺です。ですから当然こちら側もあります。こちら側は此岸(しがん)といいます。間には、迷いの河が流れています。河を渡って彼岸である浄土にいたることを到彼岸といいます。

「此岸」と「彼岸」は以下のようにたとえることができます。
「生死(しょうじ)」と「涅槃(ねはん)」
「迷い」と「悟り」
「娑婆(しゃば)」と「浄土(じょうど)」
つまり、いずれも彼岸に到達することを善しとしているわけです。

この河を渡るためには、六つの修行をしなければなりません。これを「六波羅(ろっぱら)」といいます。「布施(ふせ)」「持戒(じかい)」「忍褥(にんにく)」「精進(しょうじん)」「禅定(ぜんじょう)」「智恵(ちえ)」。細かい説明は割愛しますが、意外と大変な修行ですよ、これは。

お彼岸には各お寺で、彼岸会(ひがんえ)の法要を催していますので一度参列してみるのもいいかもしれません。

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