[233]燻製に挑戦する

~前回「燻製」の続き~

折角ですから、燻製に挑戦してみましょう。燻製は時間がかかります。特に冷やした煙で燻す「冷燻」は最大4週間も燻煙します。一ヶ月もお預けを食うわけです。待てますか?

市販のハムやソーセージは「温燻」という方法で燻します。温燻は大体30℃~80℃くらいの煙で3~8時間燻します。水分の含有量が50%以上と多いので、保存性は低いですがそれでも常温で4~5日は持ちます。しかし念を入れ冷蔵庫で保存するのが安全です。燻製の食中毒は怖いですから。

味がいいのは低温の煙で燻す「冷燻」です。スモークサーモンやビーフジャーキーなどがこれ。生ハムやベーコンなども冷燻法を使うのが本式です。冷燻は水分含有率が40%以下になるので、保存性があります。ただし冷燻は煙を冷やす行程が必要なので、それなりの設備が必要。冬の寒さを利用した地域性の高い燻製だといえます。

前処理:
燻製は前処理が大事です。肉魚とも新鮮なものを使います。腐りやすい内蔵やえらなどを取り除き、肉は血を十分に抜きます。川魚は寄生虫の危険があるので、前処理として冷凍する方法もとられます。

塩漬け:
処理した食材を塩漬けにします。これは保存性を高める意味と、味を調える効果を狙います。塩水につける方法では、約一週間つけ込みます。んーなかなか出来ないぞ。

塩抜き:
漬け込んだ食材を流水で洗います。汚れを取る目的のほか、染み込んだ塩分を取り除く作業です。味の決め手となります。

風乾:
風通しの良い日陰で表面を乾かします。小さいもので2~3時間、大きいものでも4~5時間乾かします。この作業で煙の風味のつき具合が変わってきます。

燻煙:
やっと燻煙作業に入ります。スモーカーという専用の容器に入れ、好みの燻煙材で燻します。燻煙する時間や燻煙材によって味、香りの付き方が違います。まさにここらが手作り燻製の醍醐味といえるでしょう。

スモーカーは本格的なものを用意するのも大変ですから、手始めに、ダンボールで作ってみても意外にできるものです。ホームセンターに行きますとアウトドアグッズのコーナーで色々なスモーカーが並んでいます。安いものですと¥980なんてものあります。

また、「俺は気が短いんだからそんなに前処理に時間かけられん」という御仁は、前処理の要らないチーズなどを燻してみてはいかがでしょう。