[197]爵位

爵位とは、「公爵」「侯爵」「伯爵」「子爵」「男爵」をいう。日本では明治二年に華族令が出され、公家142、大名285、計427家が、それまでの「公卿・諸侯」の称を廃して「華族」とされたのが最初である。イギリスの貴族の身分制度に習ったものであるが、その成り立ちは日本独自のものである。爵位は偉い順に公・侯・伯・子・男となる。

新憲法では第十四条【法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界】として、第二項に「華族その他の貴族の制度は、これを認めない。」とされ、永い栄華を誇った制度も終焉を迎える。今時華族がどうの、爵位がどうのというハナシは滅多に出てこない。しかし、皇族に入るお嫁さんは以前はほとんど華族出身であったことは昭和の歴史として欠かせない事実。現に学習院出身のお嬢様が皇室に入ることが多いが、もともと学習院は華族の子女の学校だ。

旧憲法の華族制度はかなり封建的で、女性は認めず、相続する爵位は男子の家督相続人が世襲することになっており、男子いないときはそこで断絶と言うことで、御家騒動もあったのでは無いかと想像される。また、総理大臣になるような人は華族になる資格もあったのにもかかわらず、これを嫌ったのは原敬総理。

イギリスでは公爵といえば国王と対等に扱われるくらいの権力があり、それの元となる財力も当然あった。公爵はなかなかなれるものではなかったようだ。子爵や男爵はちょっとした功績があればなれたようで、こちらは庶民的な爵位といえる。といっても今のイギリスではどうなんでしょうかね?経済が低迷する昨今、貴族といえども髭を蓄えふんぞり返ってもいられないようで。

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