[149]プロポリス

プロポリスって最近よくききますがこれって一体何だろう?私は長い間プロテインと混同していて良質のたんぱく質かな?なんて思っていたが、全然違うものでした。おはずかし。

プロポリスとは、ミツバチが樹木の新芽や蕾および樹皮から採集した特殊な樹液にミツバチ自身の分泌物、蜂ろうなどを混合して作られた樹脂状の固形天然物質。このプロポリスはガンをはじめ、高血圧、糖尿病など成人病や慢性病、アトピーなどにも、すぐれた薬効があるとされ、とりわけ注目されるのが近年話題のガン抑制作用なのだ。

プロポリスは樹木本来が持つ抗生物質をミツバチがうまく取り入れたものということができる。ミツバチの巣内には数万羽のミツバチが住んでいて羽をこすり合わせて熱を発生し、巣の中は34℃という微生物が非常に繁殖しやすい温度に保たれているが、ミツバチはこのプロポリスを使って巣の中の病原菌の繁殖を防いでいる。さらに抗菌作用のみならず、抗炎症作用、鎮痛麻酔作用、免疫作用、抗腫瘍抗酸化作用などが確認されていてまさに天然の抗生物質といわれる所以だ。

プロポリスは天然の樹木からミツバチが拝借したものであるから、どのプロポリスでも同じように効果があるわけではないようだ。日本を始め、世界中の養蜂業者がブラジルに集合しているのは、ブラジルでは特に良質のプロポリスが採取されるから。ブラジルは天然のハーブといわれる薬草が多く、植物自体の生命力が強くまた細菌類も多いため、特に抗菌性のあるプロポリスが採取できる。

しかし、ブラジルのミツバチは日本のものとは違いでキラービーと異名ととるくらいかなり凶暴で、そのために養蜂をあきらめる人がいるくらい。キラービーはアフリカバチと西洋ミツバチの交配種で研究施設の事故により生まれたハチだが、プロポリスの生成量が普通のミツバチの十数倍も多いという。災い転じて大きな恩恵をもたらしたのだ。

西洋では蜂蜜、ローヤルゼリーと並んで古くから愛用されてきたプロポリス。その歴史はエジプト、ローマ時代迄さかのぼり。またバイオリンの名器ストラディバリにはその胴体にプロポリスが使われており、すばらしい音とバイオリンの寿命に貢献しているのは有名なハナシ。

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