[1271]国際河川

ヨーロッパや東南アジア、アフリカなどには内陸国といって海に面していない国があります。そんな国にとって領土を流れる川は貴重な交通手段となります。しかし川は上流から河口に流れる間にいろいろな領土を通ることになりますが、その領土内で国によっていろいろな制約を加えると下流の国が不利益を蒙ることがあります。

これでは困るので、河川が複数の国家の領土を流れるとき、沿岸の国はまとまって条約を締結し、どの国の船舶でも自由に航行できるようにします。このような河川を国際河川といいます。

◆主な国際河川

◇ドナウ川

ヨーロッパを流れるドナウ川は内陸国オーストリア、スロバキア、ハンガリー、セルビア、モルドバを潤す国際河川です。

◇ナイル川

ナイル川はアフリカの内陸国ウガンダ、エチオピアを潤す国際河川です。

◇メコン川

東南アジアを流れるメコン川は内陸国ラオスを潤す国際河川です。

◇ライン川

美しい国スイスは内陸国ですが、スイスを流れるライン川は国際河川です。

◇ラプラタ川

戦争で海岸線を取られてしまった南米の内陸国ボリビアを流れるラプラタ川は貴重な国際河川です。

そのほかユーフラテス川、ガンジス川も有名な国際河川です。

日本は島国なせいか、海岸線があって当たり前。また領土を流れる河川は日本のものであることも当たり前なので、なかなか実感が湧きませんが、陸続きのヨーロッパなどでは国際河川をめぐって紛争が絶えません。上流でダムを作ったり、水質汚染の基となることを行えば下流にある国が不利益を蒙ります。

逆に下流からの通行を制限すれば、上流にある国は交易を断たれることとなります。水をめぐる争いは過去だけでなく、未来にも起こる可能性を秘めているのです。