[136]敷金

今まで自宅から通っていた人も新入学、就職で新しく住まいを借りる人も多いのではないでしょうか?そこで何かとトラブルが多い賃貸に関する常識を特集してお届けしよう。

賃貸物件を借りる時には、敷金、礼金、仲介手数料とまあ大体3種類の費用がかかる。金額は敷金2ヶ月、礼金2ヶ月、仲介料1ヶ月が普通。家賃が10万円だったら最初に50万円はかかるということだ。ただし、これらの費用は地方によってはかなりのばらつきがある。

敷金は、入居時に家賃滞納や補修などの担保として家主に対し預けるもので、本来は退去時に全額返済されるはずだが、実際には部屋のリフォーム費用を差し引かれて返ってくることが大部分だ。下手すると追加請求されたりもする。

畳やふすまなど通常の損耗は、家賃に含まれると解釈されるので、敷金をそれに当てるのは違法となる。裁判で戦えば必ず勝てるが、面倒なので家主の言いなりになるのがやむをえないところ。通常でない損耗は当然差し引かれても文句は言えない。賃借人には原状回復義務ってのがあるから。

契約書に敷金を償却する旨を明記する場合もある。これを敷引きというが、これは例えばその賃貸借契約の期間が2年であり、敷金が家賃の2ヶ月分だとすると、2年が経つと敷金がゼロになるという契約だ。つまり、3年目に入るときに(契約更新をするとき)また敷金を預託することになる。

敷金を保証金ということもあるが、保証金は商業ビルのテナントなど会社相手の場合に使い、敷金は個人住宅に使うことが多い。意味はほとんど同じである。保証金も保証金償却といって、そういう契約がなされている場合は年数に応じて戻ってくる金額は少なくなる。

しかし、本来保証金や敷金は担保であるから、全額戻すのが本筋なのである。これは家主も知らないことが多いので、不動産業者のみならず家主と交渉するのも妙案である。最初の契約は後にも影響するので契約内容はきっちり吟味しよう。うまくすれば敷金礼金をなしにすることもできる。不景気だからね。