[1275]空中権と地下権

マイホームを建てるために念願の土地を手に入れた。しかし上空には飛行機が通るし、地下にはどうも電車が走っているらしい。ここは俺の土地だ。無断で通るな!といえるのでしょうか?

基本的には、上空も地下も権利を主張できます。

まず、上空について。

上空(空中権)については、地上に建造可能な高さまでは実際に認められているようです。たとえば土地の空中に高圧線が通っている場合は、その土地は通常より安く買えます。それは高圧線を通す権利を電力会社が負担しているからで、その分を差し引いた部分が購入地価となります。

また空中権というものがあります。これは地上権と同じように登記できる権利で、たとえば大きな建物を建てたいが容積率が不足して困っている隣家に売ることができる権利として認められています。

上空が航路となってしまったため自分の土地に設置した養鶏場の鶏が卵を産まなくなった例があります。この場合も土地の所有者の権利が認められるようで、権利の代償として金銭が支払われたようです。

しかし、これらの権利は利益損害が実際に発生する場合のみとされ、現実的でない主張は認められません。たとえば無制限に宇宙まで権利を主張することは現実的でないとされ、できないのです。以前、赤道上に打ち上げらている静止衛星が自国の上空を侵犯しているとして訴えた国があったらしいですが、残念ながら認められなかったようです。

次に地下について。

地下の場合は、地面と同じように、権利が生じています。したがって地下を通る道路や地下鉄には権利を主張することができます。これを俗称で地下権といっています。

しかしこれも地下40mまでです。これより深い部分は2001年に制定された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法=通称:大深度法」によって制限され、公共利用以外の場合は権利を主張できません。

空中権・地下権は、一般的に他人の土地に地下鉄を敷設したり、地上空間に電線を架設したりするような場合に設定されます。これは、民法269条の2で規定されています。

結局のところ、上空を通る飛行機や、地下鉄には文句は言えない、ということです。