[112]シリアル

自然界の捕食を考えてみましょう。たとえば大きな魚は小さな魚を丸呑みします。小さな魚はプランクトンを丸呑みします。小さな魚もプランクトンもそれ自体生きているわけですから、生命を維持する物質はすべて揃っています。丸呑みするというのはその物質をすべて取り込む事ができる究極の捕食といえます。

さて人間はというと、段々贅沢になってきて、硬いもの、食感の悪いもの等を除外して食べるようになります。白米を食べるのは江戸時代からの文化ですが、ぬかと胚芽を取り去ってしまった白米にはビタミンB1が含まれていないため、江戸では脚気が大流行したといいます。つまり好き嫌いは病気の元だと言うことです。

さて最近流行りのコーンフレークとは、とうもろこしを丸ごと伸ばして焼いたものです。丸ごと加工されていますから栄養のバランスがいい。とうもろこしに限らず穀物をこのように加工したものをシリアルといいます。少量でバランスよく栄養補給できるので多忙な現代人の朝食に最適とされています。農水省は朝食シリアルを以下のように定義しています。

「シリアルとは、とうもろこし、小麦、米、大麦等の穀類を圧扁、成型、膨張、焙焼等により加工したものを主原料とし、必要に応じてビタミン類、野菜、果実、ナッツ等を加えて製造したもので、主に朝食用として、牛乳等を加え、加熱し、又は加熱しないでたべるもの」

シリアル食品はアメリカが発祥地であり最初に日本に紹介されたのは昭和38年頃といわれています。当初は甘いものが多く、子供のおやつとして利用されていましたが、ミネラル、ビタミン、食物繊維などを強化した製品が販売されるようになり、その健康的なイメージと手軽さから、昭和63年頃より格段に需要が伸びているようです。

余談ですが、パフェが好きな私としては、最近パフェの具材としてコーンフレークが使われる事が多く、なんか上げ底されている気分でちょっと残念な今日この頃。フレークが冷たさを和らげ舌休め的な役割を演じているのもわかるし、栄養的にも良いんでしょうけどね。