[102]仏像

ちょっと仏像についてうんちくを傾けてみよう。読者諸氏の中には住職の方もおられるので、間違っていたり説明が足りなかったらご指摘願いたい。

仏像といえばどれも同じように見えるが、よく見ると色々な表情があったり持ち物が違ったりする。数ある仏像の中でも最高位に位置するのが【如来像】で、釈迦、大日如来、薬師如来などがある。すでに悟りをひらいた仏様たちであり人々を苦悩から救う。

特徴としては極めて質素ないでたち。装身具などは身につけず、古代インドの出家した僧侶の姿そのままであるといわれる。頭髪は螺髪(らほつ)と肉髻(ニッケイ)といわれるヘアースタイルでキメている。ちょっと見た感じはパンチパーマのよう・・・

螺髪とは小さな右巻きの巻き貝状の髪が集まったヘアースタイル。ニッケイは頭の頂上がお椀を伏せたように二段重ねになっているもの。手には何も持たず、指を組んで印を結んでいる。印の形は9種類あってこれを九品(くほん)といいそれぞれ意味が違う。

本来仏像といえるのは如来だけである。如来の「如」は真実という意味で、真実の世界より来るものという意味がある。悟りの世界からやってきて、私たちを苦悩から救い、教えを説き、再び悟りの世界へと帰ってゆくのが如来。

有名な如来としては元祖「釈迦如来」のほか、手に薬壷を持った「薬師如来」、鎌倉の大仏は「阿弥陀如来」、密教の御本尊「大日如来」、奈良の大仏といえば「毘盧舎那如来(びるしゃなにょらい)」である。