[093]FFとRR

クルマの話をします。フォルクスワーゲンのビートルというクルマをご存知でしょうか?カブトムシのような格好をしていて愛嬌のある顔つきが人気でした。エンジンは非力でしたが、通常走行では結構速いクルマでした。このクルマはRRです。RRとはリヤエンジンリヤドライブという意味です。つまりエンジンが後ろにあって、後輪を駆動します。

昔ながらのビートルは生産中止になってしまいましたが、新しくビートルが復活したのもご存知でしょう。今度はRRではなくFFです。FFとはフロントエンジンフロントドライブです。つまり前にエンジンがあって、前輪を駆動します。

どちらがいいかは設計にもよりますが、現在ではFFが主流です。理由は運転しやすい、安定している、トランクのスペースが取りやすいなど。しかし、ドイツの技術者にはこだわりがあって、ハンドル操作と駆動輪は別々にすべきだという理論を持っています。駆動輪に駆動力を与えるには駆動輪の上にエンジンがあったほうがいい。しかも、ハンドル操作は別となるとこれはもうRRしかありません。ポルシェの名車911シリーズがいまだにRRの形式をとっているのはこういう訳があるからです。