[082]三蔵法師

唐の高僧・玄奘(げんじょう)が亡くなったのは664年の2月5日。玄奘とは三蔵法師の(さんぞうほうし)ことです。

三蔵法師というのは仏教の聖典の三蔵すべてに精通した人という意味で、このほかにも三蔵法師はいたとされます。ですが、有名なのは玄奘であり、インドから持ちかえった原典の翻訳にその生涯をささげた偉業は三蔵法師の名に恥じないものです。ちなみにその原典の翻訳は75部1235巻にも及びます。

西遊記は16世紀の後半に完成したと言われており、作者は呉承恩とされていますが、本当のところは定かでありません。三蔵法師玄奘がインドへ仏典を取りに行く旅を中心とした100話から成り「三国志」「水滸伝」「金瓶梅」と並んで「四大奇書」と呼ばれています。

西遊記の中で三蔵法師のお供をするのは、如意棒をあやつり抜群の神通力を持つ孫悟空、大食漢で好色な猪八戒、ちょっと陰気な沙悟浄という3人の妖怪。三蔵法師を助けながら天竺への珍道中を描いた傑作であります。