[080]アンポ・ハンタイ

いやー懐かしい言葉ですね「安保反対」。

そもそも戦争に負けた日本がここまで成長したのは安保のおかげといっていい。安保とは「日米安全保証条約」のことであります。正式には「日本とアメリカの相互協力および安全保障条約」を言います。

アメリカは万一の時には日本を守る。日本は憲法で戦争を放棄しているのでアメリカは守れない。その代わりとして基地を提供する。という趣旨のもと締結されました。締結したのは当時の吉田茂首相(1951)。

戦争は終結していましたが、米ソの冷戦は熾烈です。また朝鮮や中国などの共産圏の動きもアメリカにとってほっておけません。つまり日本はアメリカにとっても防衛上重要な位置にあったのです。しかし、この条約は圧倒的にアメリカに有利なものだったためその解釈によっては日本は不利な立場に置かれることも考えられる代物でした。そこで安保の改正です。

改正を強行したのは岸信介首相。これまでのアメリカが日本を防衛するだけのものが日本もアメリカを防衛するものに変わった。この新しい安保は、また戦争に巻き込まれる恐れがあるとして多くの人に反対された。これが「アンポ・ハンタイ」であります。

結局改正案は採択されましたが、この間に起こった安保闘争は戦後の反政府運動としては最大のものであり、歴史に残るものとなったのです。