[072]低血圧

朝起きるのがつらいのは低血圧だから、と言うのはどうも迷信らしい。朝に弱いのは夜更かしのせいかもしくは睡眠不足によるものでしょう。また血圧は年とともに上昇しがちですが、血圧の高くなったお年寄りが早起きするので、逆に低血圧は朝起きるのが遅い。とこういう説かもしれません。

低血圧とは、最高血圧(収縮期血圧)が110mmHg以下の場合をいいます。普段から頭痛、倦怠感、起立時のめまい感といった症状があります。症状があるときは疾患があると見ます。

健康な人の血圧も、朝低く夕方高いというように1日中変動していますし、季節によって冬高く夏低いというように変化しています。したがって、低血圧でも症状がないときは心配する必要はありません。

【低血圧の種類】

1)起立性低血圧症

寝ているときは普通の血圧あるいは高血圧なのに、起きあがると急に血圧が低下し、立ちくらみをおこします。

2)症候性低血圧症

種々の疾患、感染症、中毒、外傷など、さまざまな要因によって発生する低血圧症です。原発疾患の回復とともに低血圧症も回復します。

3)本態性(慢性)低血圧症

本質的には体質的なものであり、遺伝的因子が強く、無力性のやせ型の人、とくに若い女性に多くみられます。自覚症状として、疲れやすい、倦怠感、仕事が長続きしない、頭痛・頭重、立ちくらみ、めまい、乗り物酔い、耳鳴り、肩こり、動悸、息切れ、食欲不振、胃下垂、内臓下垂、便秘、手足の冷え、月経不順などがあります。

この低血圧症は「病気」でないといってよく、日常の食事はたんぱく質や脂肪の多い食事にするとか、胃腸障害のある人は消化のよいものをよく噛んで食べるように心がけます。いずれにせよ規則正しい生活が必須。