[044]ドップラー

宇宙は膨張しています。というより、膨張しているらしい。実は誰も確認したわけじゃないからほんとのことはわからない。でもとりあえずそういうことにしておきます。

遠くの宇宙のことを調べるのには大変です。出向いていくったって遠すぎる。宇宙の果てまで光速で150億年もかかる。でも、人類は140億光年の向こうのことがわかるようになってきた。どうするかというと、こちらから出向くのではなく、向こうからきている光を調べるのです。すなわち、望遠鏡で覗いて一番遠くから来ているらしい光が140億光年離れているということです。今見えているその光は140億年前に発せられたもの。それはどうやってわかるのかというと赤方偏移という光のドップラー効果で調べるのです。

ドップラー効果というのは、身近な例では救急車。サイレンが近づくと音が段々高くなりますね。一番近くまで来て今度は遠ざかると音が低くなる。光も音も「波」であるから、光にもこれを当てはめます。

宇宙の果ては、どうやら光速に近いスピードで遠ざかっている。そこから発せられた光は本来の光の周波数より低く観測される。その低さ加減でどれくらい離れたところからの光かを計算します。現状ではその最遠が140億光年というわけです。