[028]インドとパキスタン

インドとパキスタンは仲が悪い。まーこれは、世界的傾向で、国家と言うのは隣同士は仲が悪いんです。隣国の歴史と言うのは侵略したりされたりの歴史ですから。どういうわけか遠くの国とは友好関係を結びたがります。

インドはヒンズー教の国です。全部ではないですが。ヒンズー以外は認めておりません。一方パキスタンはイスラム共和国っていうくらいですからイスラム教の国です。ヒンズーとイスラムは昔から仲が悪い。殺し合いなんか日常茶飯事。

もともとインドは多言語、多民族の集合した国で、当然宗教もいろいろです。権力を握った宗教は他を排しますから、他の宗教徒は独立を目指すわけです。インドはヒンズー教以外は認めないところがあります。パキスタンはヒンズー教ではないですから認めないわけです。遠くなら認めるんでしょうけどね。隣国だとそうはいかないらしい。インドとパキスタンの歴史も言ってみれば宗教戦争の歴史といっていいでしょう。

インドのカシミール地方はラマ教の地方です。インドはラマ教は認めませんから、ラマ教の人は独立したいわけです。同じくパンジャブはイスラムの地方です。ここはパキスタンに帰属したがっています。要するにみーんな宗教で動いているのです。

最近の話題と言えば、核保有問題でしょう。インドが核実験を行なえば負けじとパキスタンも行なう。イスラム諸国はこぞってパキスタンを応援する。パキスタンはそう裕福な国ではないですから、応援されれば核がイスラム諸国に流れる恐れがある。北朝鮮も応援しているらしいし。どうもこの辺はきな臭いところです。

【追記:田邊様】
「1947年8月、懸案のインドの独立が達成されたが、イスラム教徒とヒンドゥー教徒の対立が深刻化、結局インド共和国と、イスラム教徒のパキスタン=イスラム共和国との二つの国となった。」(日本国民の世界史、岩波書店)とこの辺が始まりになって、なぜイギリス統治時代には1つの国だったインドにイスラム教徒地域とヒンドゥー教徒地域が分れていたのか、またバングラデシュがパキスタンから独立(1972年)した経緯。

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