[014a]原子力

「日本の原子力の発展を担う村であることは、荷が重くなってきた。今後は国民全体が担っていくべきだろう」( 1999年9月30日JCO臨界事故を受けて1999年11月19日村上東海村村長談)

いまさら何を言ってるのか?と言う気がしないでもないですが、重い言葉には変わりはありません。核も含め原子力は人間の手に負えないのではないかというのが実感です。その事故は地球そのものを破壊するし、一度でもあってはならないことですが、人間は必ず間違いを起すものであるから、そう言う意味では「原子力」は手におえる代物ではないのでは?

火事は火が見えるから逃げる事も消す事もできます。また火事そのものを努力によって防ぐ事もできます。火は触ると熱いということを自らの経験から学習するからです。しかし原子力はそうはいきません。事故が起きればそれでおしまい。何も知らないまま壊滅状態になってしまいます。

その事故の恐ろしさに対しこれほど無頓着だったのは、東海村や原子力に携わる人ばかりでなく、我々国民にも責任はあります。しかし、原子力に関して議論する場は今までほとんど無かったといっていい。原子力は企業と国が勝手に推進してきた事業なのです。説明を求めれば「大丈夫だ」と言う返事が返ってきます。「危ないからやめた方が良いのでは」と国民が問えば、「今更やめられない。そういうあなたも原子力の恩恵にあずかっているじゃないか」と脅されるのです。

国民全体が担うべき原子力、と考えた時果たして賛成する人がいるのでしょうか?こんな事故が起こった後に自分の家の回りに原子力施設があった場合仮に対策がされたとしてもいい気持ちはしません。これを糧に更に原子力を推進していくのか、それとも勇気を持って原子力の火を消すか、今は決断の時ではないか、という気がします。

人類はじつはすばらしい原子力施設を50億年も前から持っています。その施設は我々人類だけでなく地球そのものを明るく照らし暖めてくれます。そう、それは太陽。最も巨大で最も安全で最も信頼できる原子力エネルギーです。日の出とともに起きて仕事をし、日が沈めば寝れば良いではないか?もしかしたら少子化を防ぐ事につながるかもしれないし?