[001v]500円硬貨

自動販売機での被害が続くニセ500円硬貨への対策について、「改鋳もふくめ、年内に結論を出す」と宮沢蔵相。(朝日1999/11/19)

ニセ500円硬貨とは、大きさ、重さが500円硬貨によく似た外国の硬貨の表面を削ったりもので、元となる貨幣はもっぱら韓国の500ウォン硬貨(約45円)、ハンガリーの50フォリント硬貨(約21円)。ごくまれにポルトガルの20エスクード硬貨(約11円)も見つかっている。

ニセ貨幣を自販機に入れて返却レバーを押して本物をかすめ取る犯行は、6年ほど前から全国で拡大する一方。しかし、これは裏を返せば日本の経済のレベルが高い証明でもある。

昔インベーダーが流行った時、悪ガキどもの、改造100円玉に悩まされたゲーセンオーナーも多いだろう。5円玉にビニールテープを巻き100円玉の大きさにした簡単なものだが、当時のコイン選別機は容易にこれを100円と認識した。ゲーム機の金庫にわんさと入ったビニールテープ巻きのにせ100円玉にうんざりしたものだが、インベーダーブームが去ると同時にニセモノさえも見なくなった。繁栄とはこんなものである。

さて最近の日本。あちこちでがたが来ているようで、事故や事件が頻発している。ニセモノを造られるうちが花。誰もニセモノを作らなくなった時、日本経済の終焉とならぬよう、よろしくお願いしたいものである。

そう言えば、首相時代に景気は絶対回復すると豪語していたけれど、未だに回復していない現状をどうするんですかね?宮沢さん。

【2011.03.21:追記】
宮澤 喜一氏は2007年6月28日に亡くなられました。
[1919年(大正8年)10月8日 – 2007年(平成19年)6月28日]