[139a]シンナー遊び

2013年9月23日

高校生の頃、いましたね。シンナー遊びをしてるヤツ。でもすぐに止めてましたね。彼はバカじゃなかった。それから30年も経つのにこのシンナー遊び、世間では一向に減ってないらしい。本格的に根絶する気が無いのかな?>行政

シンナー乱用の起こりは、刑務所に服役中の囚人が酒代わりに役務に使うシンナーを嗅いで酩酊したことに端を発する。酩酊期には爽快な幻覚が体験できるらしい。

刑務所でのこの行為が1967年頃に群馬県の非行グループに伝わり、折からのフーテン族ブームに乗って、1971年には全国で5万件の補導件数を出す爆発的大流行となってしまった。いわゆるシンナー遊びの流行である。シンナーはどこでも買える有機溶剤なので、現在でもその流行は衰えていない。

シンナーを吸うと酩酊状態になるが、その作用は成分中に含まれているトルエンの薬理作用に因るものである。トルエンは麻酔剤であるクロロホルムに匹敵する強力な麻酔作用をもっており、その麻酔効果によって呼吸抑制を起こして死亡する危険性も十分はらんでいる。

しかも、シンナーは脂溶性の溶剤であるので、脂肪を中心に構成されている脳細胞は長期の使用によって溶けてしまう。そのために脳波の異常や、脳萎縮がおこり、ついには廃人になる。

シンナー遊びを防ぐため、接着剤を始めとする日用品には有機溶剤を含まないものが増えてきた。ペンキなども水性のものが多くなってきたが、業務用のものは相変わらずシンナーを溶剤として使うものが多い。したがって塗料店に行けばシンナーを買うことはきわめて容易なのだ。

シンナー遊びを根絶するには、業務用のペンキもすべて水性にする必要がある。水性ペンキはかなりその性能が良くなってきているので、有機溶剤系のペンキにとって変わる日も近い。もっとも塗装職人の健康を考えたら当然の成り行きといえるんだけど。

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