[013a]宇宙葬

八王子の霊園に墓参りに行った。年とともに億劫になりがちだがこの時期行かないと行く時がないということでがんばって行くことにしたのだ。朝早くに出かける。この八王子には東京ドーム13個分の霊園があるという。それだけ霊園があってもまだまだ足りないと言うのだ。狭い日本はそのうち墓だらけになってしまうことだろう。

最近は自然葬なるものが密かなブームだそうで。考えてみたら、あの狭いところに押し込められるのはなんとなく気が進まないのは私も同じ。出来れば大自然に帰してほしいと言うのは万人の願いのようである。そこで登場したのが宇宙葬。

1997年に登場した宇宙葬は散骨の一種だがフィールドは広大な宇宙。小さなカプセルに遺骨を詰めて衛星ロケットに搭載して地球周回軌道に乗せて発射する。カプセルは地球を見ながら悠久の時を過ごすわけだ。費用は100万円。高いか安いかは個人の価値観による。もっとも永遠に周回するわけではなく、起動に働く引力の加減によって軌道を外れ外宇宙に飛び出して永遠の旅に立つか、あるいは地球の引力に吸い寄せられ大気圏に突入して流星となるかはわからないらしい。

宇宙のかなたで高度な文明に遭遇し、もしかしたら遺骨から再生して戻って来れるかもしれない。ビジャーのように(スタートレック)。もっともその頃には地球も太陽もなくなっているだろうけれど。