[187a]エアバス

1960年代、1ドル360円の頃は海外旅行といえば夢のまた夢。一生のうち行ければラッキーと言うものだった。何しろ月給が2~4万円の時代に海外旅行は100万はかかる。今の価値に換算すると海外旅行は1000万円くらいかかる計算になるか。

それがいまや海外旅行は誰でもいける。下手すると国内旅行より安い。円が高くなりドルに対抗できるようになったことと、旅客機の開発が進み大量に輸送できることがその誘引となったと考えることができる。

旅客機のメーカーはダグラス社とボーイング社に代表される。この他にもロッキード社はトライスターという旅客機を作っていたが、田中角栄絡みのスキャンダルで撤退を余儀なくされている。ダグラス社は最近元気が無く、現在ではもっぱらボーイング社の747機が世の主流だ。この機は最大で568席確保できる超大型機で航空機の市場を席巻した。客席数だけでなく、最近のテクノロジーに起因する安定性や高性能も大きく貢献している。つまり良いものは売れると言うことだ。

大きく遅れをとっていた欧州のエアバス社は、このたびB747を上回る650人旅客機を生産することになった。購入予定の各航空会社も決まっており受注が見込めることから生産にゴーサインが出たかたち。2005年には納入され、大空に羽ばたく姿が見られるようになる。

エアバス社もこれまでの企業連合体方式を改め、新たに株式会社のエアバス・インテグレイティッド・カンパニー(AIC)を来年1月に設立し、新会社がスタート、シェアの巻き返しを図る。エアバスの新型機A3XXは総2階建て構造で、座席数は最大656。ボーイングのB747を86席上回るもので、その快適さが期待される。この新型機はエアバス社が10年かけて計画を進めていたものである。

さてこの最新鋭機、願わくばエコノミークラスの仕様を747より少し良くして貰いたいものだ。ジャンボといったってエコノミーの座席はミニマムであり、お世辞にも快適とはいえない。これからは旅行するにもサービスで選ぶ、機体で選ぶ、航空会社を選ぶ時代だし。できればスチュワーデスや機長も選べると面白いかも。