[051a]ライカ犬

ここ茨城県というところは夕方になると西の空がファンタスティックな様相をかもしだす。いわゆる夕焼けなのだけど、とてもダイナミック。北西の空には必ず入道雲があって、グレーの雲の縁が太陽に照らされてオレンジ色に輝く。天井にはうすくたなびく雲がオレンジ色からピンク色にグラデーション。東の空は既に濃いブルーである。ピンクとグレーとブルーの色合いが何とも鮮やかで、1日パソコンの前に向かっている目に新鮮だ。

ふと南の空に目をやると、大きな流れ星が落ちていった。緑色から金色に一瞬きらめく。緑色は補色効果だろうか。久しぶりに見た大きな流れ星だ。

43年前、星屑と消えた一匹の犬の事を思い出した。ソ連の人工衛星スプートニク2号に乗せられた雌のライカ犬だ。有人飛行に先駆けて戻ることを想定されず打ち上げられていった彼女は一体何を見、そして星屑となって燃え尽きる瞬間一体何を思ったのだろうか?

ライカ犬は以来ソ連の勇気ある犬として有名になり誉め称えられた。しかし、当時の担当者は今でも人工衛星に犬を乗せたことを後悔しているという。せめて回収の計画をもって事にあたるべきであったと。