[1284]節電と節水

節電と節水。夏になるとよく叫ばれるこの言葉は、似ているけど性質は全く違うものです。

まず、節水。

節水は、降るべき時に雨が降らず、水源のダム等が枯渇しそうなときに行われます。水道の蛇口から出る水を控えることで、水源の枯渇を防ぎます。水道を使うのを控えれば、その分水源の水は保たれます。取水制限を行い使用量を引き伸ばし、雨が降るのを待てばいいのです。

そして節電。

発電所で発電した電気はダムのように溜めておくことができません。発電した電気は使う使わないに関わらず、消滅してしまうのです。発電してしまった電気はむしろ使わないと無駄になります。そのため電力会社は需要を細かく見極め、電力の供給をコントロールしています。ここをよく理解していないと節電しても意味がありません。

福島の原発事故の影響で国中の原発が停止したままの日本。電力不足は深刻で、国を挙げての節電が叫ばれていますが、この節電は電気の使用ピーク時において需要が供給を上回らないようにするための節電です。ピークは昼の猛暑に対するエアコンの使用によるものなので、昼間の節電を政府は呼びかけているわけです。

東日本大震災からの復興や経済効果を期待するなら夜は節電をせず、むしろ電気は使ったほうがいいといえましょう。店舗の24時間営業や深夜営業は歓迎すべきことではないでしょうか。

なお、節電が「電気料金節約」という意味ならば、昼夜問わず電気の使用を控えたほうがいいのは言うまでもありません。