[1285]憲法とタバコ増税

刑法とか民法といういわゆる法律は、国(国家権力)が国民を裁くために制定するものです。法律は大なり小なり国民の自由を奪います。しかし、法律があるから人の権利も守られます。つまり社会の秩序を守るために、バランスを考えながら国は法律を制定します。

たとえば、タバコの喫煙。日本では「未成年者喫煙禁止法」により20歳未満の喫煙を法律で禁じています。これはたとえば喫煙したい18歳の国民の自由を奪っているわけです。しかしそのおかげで健康への影響を受けやすい18歳未満の青少年の喫煙を防ぎ、国の宝である子供を健康被害から守っています。

憲法は同じ法律でもちょっと意味が違っています。たとえば上記の理論でいえば、国は喫煙そのものを禁じることもできますし、アメリカのかつての禁酒法のようにお酒もすべて禁じる事ができます。

ということは、法律は国家が自由に作る事ができるわけで、そのため国家の横暴によって国民の権利・自由を不当に奪われることだって十分にあり得ることとなります。

そこで登場するのが憲法です。

憲法とは、国民の権利・自由を守るために国家権力の行為を制限するための法規なのです。国が法律を作ろうとしたらそれが憲法違反ではないかどうかを国民は目を光らせて見張っていなければなりません。

ということで、今回のタバコ増税案。発案者は小宮山洋子厚生労働大臣。

#国民はこういった議員の名前をよく覚えておきましょう。

私が喫煙していた30年前頃までは1箱20本入りで200円でしたが今は410円。それを700円まで上げようという話です。値上げ分はほとんどが税金で、これを東北大震災の復興に充てるという。

ただでさえ喫煙者は肩身の狭い思いをし、それでも無言で堪えているのに追い討ちをかけるような増税は憲法(日本国憲法第3章国民の権利及び義務)に違反しないとも限りません。

そもそも国はどこから税金を取るかをいつも考えていますが、取りどころは儲かっている業界です。かつての発泡酒がいい例で、酒税の安い発泡酒をメーカーは企業努力で売れる商品に育て上げました。ところがそれに目をつけた国が、今まで安かった発泡酒の増税を1996年に実施し、ビール業界の反発を買いましたました。

儲かっているところへ増税するというのは国としては当然の行為であり、国民としてもやむをえないところです。しかし儲かっていない、しかも肩身の狭いタバコの増税をするというのは増税のセオリーからしても理にかなっていません。

また、イギリスやノルウェーなどの先進国のタバコの価格例を挙げ「1000円まで大丈夫」とか言っていますが、ヨーロッパの先進国はすでに老朽化しており、なにも真似をする必要はありません。参考にすべきは税金のない国「ブルネイ」でしょう。

#ブルネイはイスラム教の関係でお酒は禁止。タバコは禁止ではありません。

国家は税金をどこから取るかではなく、税金を取らなくてもやっていける豊かな国を目指してほしいと切に思うのであります。