[1287]アンドロイドとサイボーグ

今どきアンドロイドというとiPhoneと対峙するスマートフォンの代名詞的に使われていますが、私のような小松左京・筒井康隆・平井和正のSFで育った世代では真っ先に人型ロボットを想像します。有名どころでは「アンドロイドお雪」。これは平井和正氏の原点とも言える作品なので機会があればぜひ読んでみてください。

そもそも「アンドロイド」とは人を模して作られた「人造人間」のことを言います。つまり完全な機械でありロボットです。対する「サイボーグ」は人体に機械を埋め込み強化した「改造人間」を言います。

アンドロイド=人型ロボット=人間ではない
サイボーグ=改造人間=人間である

改造人間というと懐かしいところで「バイオニック・ジェミー」や「600万ドルの男」みたいな超人を彷彿とさせますが、人工臓器が医学的に発達しつつある現在、改造人間は身近なところでも増えているといっていいでしょう。

人工肺や人工腎臓などヘビーな人工臓器だけでなく、心臓ペースメーカー、人工骨、インプラント、白内障治療に使う人工水晶体など、人体改造パーツを埋め込んでいる人はたくさんいます。

これから高齢者社会になって寿命が延びますが、体のパーツはそれぞれ寿命がありくたびれてきます。しかしこれらのパーツをそのつど取り替えていけば、120歳になってもスタスタ歩ける元気な老人が期待できます。筋肉が衰えても人工筋肉で補強すれば、若い人と同じように働けるかもしれません。バイオニック老人の誕生です。

一方、ロボットの開発も盛んです。つくば市にある産業技術総合研究所に行くとアザラシ型ロボット「パロ」が迎えてくれます。これなどは愛玩用ロボットといえるものですが、売れているお掃除ロボット「ルンバ」も人気です。これらはアンドロイド(人型ロボット)につながる開発といえましょう。

サイボーグもアンドロイドも人間のよきパートナーとして将来を担っていくことに違いない、と期待したいものです。