[1293]笹子トンネル仮開通

2012年12月2日、中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し9人もの犠牲者を出す大事故が発生しました。

その後中央自動車道は上下線とも通行止めにして復旧工事にあたっていましたが、12月29日に下り線を対面通行にし仮に開通したとのこと。開通は正月の帰省や観光客誘致もあることから、周辺関係者のの方々はほっと胸を撫で下ろしたのではないでしょうか。

私は昔、スキーに行くのに甲州街道を利用しており、そのころの中央道は調布から大月までしか開通していなく、甲州街道の新笹子トンネル(一般道)はよく利用したものです。

その後中央道が伸びて新しくできたトンネルが今回事故を起こした笹子トンネル。もちろん一般道の笹子トンネルとは別物で竣工は1977年(昭和52年)12月とのこと。

35年経過した時点でこのような事故が起こったわけですが、その原因はどうやら以下のような設計ミス。

・固定方式はボルトを接着剤で固定するケミカルアンカー。しかしこれは重力方向に使うのが常識で上向き(抜け落ちる方向)に使うのは誤用。

・天井板に重いコンクリートを使ったのは設計ミス。通常であれば軽量なアルミダクトなどを使うのが土木では常識。事故は明らかに人災。

笹子トンネル事故には発生当初から違和感がありました。

「天井支えているボルトが抜け落ちたって?」
「ボルトはナットで留めるもの。それを接着剤で?」

思えば35年前、高分子化学が発達して接着剤が高性能になった時期でもあります。今までに無いこういった接着剤の工法は試験的ではなかったのか?

もしこのような抜け落ちる方向への使用方法が接着剤のメーカーから提示があったとしたら、接着剤メーカーにも責任があるといえましょう。